日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

1984(昭和59)年 東宝/キティフィルム
 昨日夜、tvkで11時から「新世紀エヴァンゲリオン」「機動戦士ガンダム」、そして0010からNHKで「未来少年コナン」が再放送をされていました。
 「新世紀エヴァンゲリオン」…1995
 「機動戦士ガンダム」…1979
 そして「未来少年コナン」はその前年1978年の作品。
 再放送ですが、これら作品を一度に地上波で流すってなんかすごいです。
 で、昔の作品を見たくなって引っ張り出してきたのが「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー1984年の作品です。


 ロードショーでは観ておらず、この作品が大好きだった友人が買ったVHSビデオ(当時12800円もした)で観たのが最初。その後名画座で観て、DVDでと、おそらく10回以上は観ています。
 その後、押井守作品を観るようになって、ビューティフルドリーマーは、高橋留美子作品ではなく押井守作品であると認識をしました。


 学園祭の前日を延々繰り返す世界。
 その異常さに気付いた人が次々に失踪するも、中でドタバタを繰り返すあたる達は、気づいていながらその”楽しい世界”を満喫する。

 タクシーの運転手に乗り移った無邪鬼とサクラさんの会話で、無邪鬼はこんなことを言います。

 「なまじ客観的な時間やら空間やら考えるさかいややこしい事になるんちゃいまっか。帯に短し待つ身に長し言いますやろ。時間なんちゅうもんはあんた、人間の自分の意識の産物なんや思たらええのや。世界中に人間が一人もおらなんだら時計やカレンダーに何の意味があるっちゅうねん。過去から未来へきちんと行儀よう流れとる時間なんて、始めからないのんちゃいまっかいなあ お客さん。人間それ自体がええかげんなもんなんやから時間がええかげんなんも当たり前や。きっちりしとったらそれこそ異常でっせ。確かなのはこうして流れる現在だけ、そう思えたらええのんちがいまっか?」

 すべての創作物は、夢の世界。そこで遊ぶも否定するも自由。だけど世の中に著作権者という神のような存在もおり、それは誰も無視できない。
 
 「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」は、確信犯的に二次創作をメジャーでやった初めての作品なのではないかと思います。
 
©(〇にC)ブタの意味
 テンちゃんが変なおっちゃん(無邪鬼?)からもらったかわいい子ブタ。お尻に©(著作権)マークがついていて、正体は物語の最後に無邪鬼の作ったラムの夢の世界を破壊する(夢を食らう)”獏”だった。
 氷川竜介さんは「スポンサーでしょ」と言っていたのですが、私的には、高橋留美子だったのではないかと思いました。出てくるのもちょうど30分くらい。高橋留美子は、不快感を表し試写の途中で席を立ったという言われています。あくまでも想像ですけど、ちょうどこの辺じゃないかと。
 つまり、著作権を持っている人がブタ。あの頃高橋留美子は確かに太っていた。
 しかも冒頭から学園祭のコスプレとして、東宝特撮や円谷のキャラクターのオンパレード。これも今なら著作権の侵害を言われても仕方ないくらいはっきりと描かれている。
 著作権を無視してやりたいことをやる、だけど結果的には著作権保持者(獏)に自分の作った世界は破壊される。そこまで考えてあの子ブタを配置したんじゃなかろうか?
 それに気が付いて高橋留美子は激怒したんじゃないかと。
 ビューティフル・ドリーマー』は)押井さんの『うる星やつら』です。

 押井監督は、
 人間性の違いです』ってその一言言って帰っちゃった(笑)。これは自分の作品じゃないと言いたかったんですね。
 とも話しています。

深読み?
 


 あたるの家からみんなで友引高校に向かう途中で、忍ちゃんが風鈴の迷路に迷い込む。
 それを2階から眺める一人の青年。
 この青年は押井監督自身であると御本人が言っています。流れるたくさんの風鈴はフィルムの両サイドにある送り穴(パーフォレーション)を意味しているそうで、フィルム(創作)の世界に迷い込んだ観客を指しているとも。

 ラブコメアニメを使い、ここまで自己の世界を表現するのはなかなかできない。
 映画監督1作目は「うる星やつら」映画第1作「オンリーユー」ですが、作家性を全開させた今作が、押井守の第1作といっても過言ではないと思います。

 もう42年も前の作品ですが、深読みせずとも楽しめる傑作です。

にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
にほんブログ村
 

「HOUSE ハウス」

HOUSE ハウス[東宝DVD名作セレクション] 
 1977年・大林宜彦監督

 それまで自主映画、CMディレクターとして知る人ぞ知る存在だった大林宜彦の商業映画第1作目。
 DVDを持っていたのですがずいぶん久しぶりに観ました。

 「HOUSE」名前だけは知っている人も多いはず。1977年だから小学校6年生で、ロードショウでは見ていません。ずいぶん経ってから名画座で観たのが初めてかな。その前にレンタルビデオで観たかも。
 当時少年マガジンの巻頭グラビアで紹介されていて、観たいなと思っていたのですが、基本的にホラーはダメなので、敬遠したのかもしれません。


 改めてみてみると、43年も前の作品なのにそんなに古さを感じませんでした。

 私なりに、この映画の鑑賞法は以下の3点。
 ・他のVFX映画と比較しない
  特に最近の実写かCGかわからない精巧なVFXとは全く異なり、ほぼ全編マットペイントを多用したスタジオ撮影が基本。動きをコマ送りしたり、光学合成もわざとチープにしています。絵の中に人が配置されている「電気紙芝居」としてみるのが正しい。一方で女性はみんな可愛く撮る。池上季実子の継母となる予定の鰐淵晴子は常にそよ風をあてられてスカーフが翻っていて何とも神秘的。
 ・ホラーだけどホラーじゃない。
  いろいろな意味で一般的なホラーとは異なる。舞台装置はホラーですが、基本は可愛い女の子を可愛く撮られたアイドル映画。同世代の男性は出てこず、唯一若い男性は尾崎紀世彦のみ。キーとなる羽臼屋敷の女主人南田洋子(羽臼華麗/はうすかれい、ですよw)は、出征した恋人を待ち続けるという、大林監督が常に持ち続けた戦争の悲しさを裏のテーマにしている。
 ・劇中劇を見る感じ。
  あえてリアルでない演技をさせているのは大林監督の演出方法。それはあくまでも映画は絵空事であるという主張(冒頭に出てくるA MOVIE)にある。


 特典のデジタルパンフレットで、「HOUSE」企画から公開までを監督自ら語っています。
 そもそも東宝映像から「JAWS」みたいな映画を撮れないかという打診があり、いろいろと考えたものの動物や虫パニックものは面白くならない。煮詰まっていたところ娘の千茱萸さん(当時11歳)にどんなのが怖い?と聞いたところ、鏡に映った自分に襲われるの、とか、おばあちゃんちに行った時に井戸でスイカを冷やして引き上げたら生首だったら怖い、とか、ピアノに食べられちゃうの、と言われ、そのアイデアから「家が女の子を食べてしまう」という話に膨らませたそう。なので千茱萸さんが「原案」でクレジットされています。
 企画は提出したものの、撮影開始のOKがなかなか出ない。脚本は面白いのだけど、これを撮りたいという監督が東宝にいないことが理由の一つ、さらにまだ当時は社員監督の時代で、いくら有名演出家であっても社外の人は撮影所で映画を撮ることはできない時代だった。
 そこで大林監督は、まず企画を通すために知人友人に「HOUSE」の宣伝を勝手にやりだす。まずは企画書をもとにノベライズ化コミカライズ化される。その後小林亜星さんに話をするとゴダイゴに話を付けてくれてサウンドトラックが完成する。まだ映画撮影も決まっていないのに…。
 さらにニッポン放送の当時敏腕ディレクターだった亀渕 昭信さんに話をするとオールナイトニッポン枠で4時間生ドラマをすることに。これが大当たりして高い聴取率を稼ぐ。
 やっと東宝が重い腰を上げて撮影OKとなるものの、誰も監督をやりたがらない。東宝は大林監督自らメガホンをとってもらう為に社内調整をし無事撮影がスタートした。

 企画書完成から撮影に入るまで約2年、今でいう「メディミックス」的手法を使い第1回監督作品を完成させたということ。

 77年というと映画が完全に斜陽産業になっていた時代。異業種監督の先鞭をつけたのが大林監督だった。

 改めて、「HOUSEハウス」は傑作だと思いました。
 池上季実子(オシャレ)は本当にきれいで、大場久美子(ファンタ)は、まだあか抜けていなくてかわいい。公開当時は神保美喜クンフー)のファンでした(^^;)。

(予告編)

House (Hausu) Trailer - Subtitled (Nobuhiko Obayashi, 1977)


にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
にほんブログ村

HOUSE ハウス[東宝DVD名作セレクション]

HOUSE ハウス[東宝DVD名作セレクション]

  • 発売日: 2015/02/18
  • メディア: DVD

 

 
 
 

 
 

ドンミノドミナス!

六番目の小夜子 (新価格) [DVD]h240]

 2000年NHK教育テレビ「ドラマ愛の詩」枠で放送された「六番目の小夜子」。
 01年にDVD全3巻で出ていましたが手に入れることができず、中古で探していたのですが名作故か手放す人が少ないのか、たまに出ていても高額だったり、ほとんど市場にありませんでした。つい最近3枚セットで再版されることを知り、そっこー購入しました。しかも昔は1巻5000円くらい×3で1.5万だったところ3枚セットで6000円ちょいと半額以下。ちなみに当時発売されていた少年ドラマシリーズなぞの転校生」「七瀬ふたたび」も同形式で5.6月に再版されます。「なぞ転」はVOOK版を先に買っていて、特に好きな作品なのでDVD版を購入しましたが、「七瀬-」はVOOK版全4巻持っていたので買わなかったらあっという間に市場から消えてしまったんで今回必ず買います。

 さて「六番目の小夜子」。中学(原作は高校)が舞台のジュブナイル作品なのですが、主人公の潮田玲 を 鈴木杏、転校生の津村沙世子を栗山千明、玲の幼馴染の関根秋を山田孝之、玲の親友、花宮雅子を松本まりか。クラスメイトのガリ勉の加藤彰彦は舞台を中心に大活躍の山崎育三郎。文化祭実行委員会の設楽は「ウルトラマンメビウス」のクゼ・テッペイ隊員の内野謙太。秋の弟由紀夫は前田敦子の旦那、勝地涼と、今も第一線で活躍する俳優さんたちが若い頃多数出演しています。
 
 冒頭の♪ドンミノドミナスは、主題曲で今でも口ずさんでしまう印象的な曲でした。

印象的なフレーズ、何語かわからない歌詞。これらの疑問について当時NHKから回答がされています。
 「皆さんの書き込みでも、とにかく評判のcobaさん作曲の音楽。中でも質問が多いのが(テーマ曲の外国語みたいな言葉は何て言ってるの?)でしょう。雑誌「ステラ」では既に紹介されていますが、ご覧になっていない方のために再放送を記念して(?)あらためてこの場でも皆さんの疑問にお答えしましょう。
 まずテーマ曲の冒頭、「モタメソモテマセ」などとバックでつぶやくようにくり返される部分は「あなたの運命はあなたの手の中にある」という意味のフランス語(Ton destin est entre tes mains)の逆回しです。テーマが始まると女声で「ドンミノドミナス」という具合に聞こえるフレーズが強烈に飛び出してきますが、これはまさしく聞こえるがまま「ドンミノドミナス」と歌っています。フランス人ヴォーカルが考えた歌詞を格好良く聞こえるように変えていくうち、最初の歌詞は跡形もなくなってこんな具合になりました。ちなみにそのバックでは冒頭、逆回しで使われていたフランス語がそのままの形で歌われています。フランス語のわかる人が身近にいたらためしに聴いてもらってみてください。
 なおこの曲のレコーディングは2回にわけて行われました。そんな訳で2回目に録音された曲は文化祭の回からしか使われていません。書き込みでお尋ねのあった(玲と沙世子・別れのシーン)の曲もこの2回目に録音されたものです。それまでもたびたび使われていますが、色々なバージョンがあり、あのシーンで使われたバージョンは初登場だったので新鮮な印象を受けたのではないでしょうか。いまのところCD化の予定はありませんが、cobaさんのアルバムに収録されたら嬉しいですね。」
とのこと。

 2000年、既に35歳。すっかり大人でしたが、小さい頃に観た「少年ドラマシリーズ」を彷彿とさせる展開を毎回楽しく観ていました。この次にやった「幻のペンフレンド2001」はソフト化されていません。アーカイブで観れるのかな。。

にほんブログ村 サラリーマン日記ブログ がんばるサラリーマンへ
にほんブログ村


=2021.08.1追記=
いつも大体1日200アクセスしかないのに昨日以降700アクセスくらいあって??と思ってアナリティクス確認したら、この記事のアクセスがうなぎのぼり。NHK深夜再放送に合わせて検索してこられた方が多いみたい。ドラマや映画の感想とかも書いておりますので、続けて読んでいただけると嬉しいです。

「マタンゴ」

隔週刊 ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX(54) 2018年08/07号【雑誌】
 10年前にDVDを買っていますが、講談社ゴジラ全映画コレクターズBOX」シリーズで発売され付録目当てで買ってしまいまいた(^_^;)。
 以前デアゴスティニでも同様のシリーズ(東宝特撮映画コレクション)が出ていましたが、DVDと小冊子がついていただけ。今回の講談社版は、できる限り当時の宣材を集め付録に付けるのでコレクター心をくすぐります。
 ・パンフレット
 ・ポスター(B2)
 ・東宝スタジオメール
 ・東宝フォトニュース(B2)
 ・漫画「マタンゴ石森章太郎
他当時のプレス資料他が復刻されてついています。
 次回発売の「ガス人間第1号」のB2半変形ポスター(復刻)や、マタンゴゴジラのクリアファイル2種付。既にDVD持っていてもこれは買っちゃいます。

 マタンゴ、強烈な名前なんで、聞いたことのある人も多いはず。本多猪四郎監督/円谷英二特技監督の黄金コンビによる1963年の東宝特撮映画です。
 豪華ヨットでクルージングに出かけた7人の若者が、悪天候で難破、鳥も寄り付かない絶海の孤島に漂着。最初は何とか脱出を試みようとするものの食料は底をつき、地生のキノコを食べることに。そのキノコを食べるとどうやら恐ろしいことになるらしい。キノコの名前はマタンゴ。自分たち以前にこの島に漂着した船(放射能調査船らしい)のサンプルルームにあった菌類サンプル。最初は自制していた仲間も飢えの為、一人、またひとりとキノコに手を出し最後は…。

 「マタンゴ」は確かにホラー映画なんですが、単に怖いだけでなく、享楽的で退廃的な世の中とマタンゴの森の中とどんな差があるのかというアイロニーに満ちた傑作です。
 原作はホジスンの短編『夜の声』。これを原案に福島正美、星新一の2名のSF作家が脚色翻案したもの。制作された1963年は、翌年にアジア初のオリンピックが東京で開催されることになり、日本の威信をかけて国内を大改造していた高度経済成長の時代。いろいろなものを置き去りにしながら、戦後復興に拍車をかけて経済活動に邁進していた。そんな置いてけぼりな状況をこれでいいんだろうかと、SF作家的視点で書かれた作品だと思います。

 観ていない人、機会があったら是非。いろんなことが感じられると思います。

 あ、マタンゴ初公開時同時上映は加山雄三主演若大将シリーズ第4弾「ハワイの若大将」。両方とも海ものですが明るい若大将と対照的などよーーーんとなる社会派怪奇映画。しかも冒頭は若大将シリーズと遜色ない若者のヨットクルーズ場面から始まるトラップ付きww
 
 「となりのトトロ」と「火垂るの墓」並みのネガポジ同時上映作品ですww

マタンゴ」予告編↓

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 サラリーマン日記ブログへ
にほんブログ村

「本格冒険科学映画 20世紀少年」

20世紀少年 -第1章- 終わりの始まり20世紀少年 -第2章- 最後の希望20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗

堤幸彦監督
2008年〜09年に第1章『終わりの始まり』、第2章『最後の希望』、最終章『ぼくらの旗』の3部作として公開。
原作の22巻+完結篇「21世紀少年」の計24巻を、上映時間第1章:142分/第2章:139分/最終章:155分 計7時間9分とはいえ、まとめるのは大変。バジェットも全章計60億と日本映画にしては大きいのでコケることは許されない。結果的に興行収入だけでも第1章:39.5億円/第2章:30.1億円/最終章:44.1億円 計113.7億+DVD売上、放映権売上があるので大成功の部類でしょう。

 ところが評判は、決して良くありません。みんなのシネマレビュー(https://www.jtnews.jp/index.html)では、
20世紀少年 (2008年)5.04点 110人
20世紀少年 −第2章− 最後の希望 (2009年)4.16点 68人
20世紀少年 −最終章− ぼくらの旗 (2009年)4.41点 60人
(10点満点・人数は評価者数)
こんな感じ。

 私的には6.5点くらい。
 まず原作世界をほぼ忠実に映画化されている点は高評価。俳優陣も漫画映画化の場合、絵に似ていると漫画的になってしまう為、似ている必要性を感じないのですが、「20世紀少年」は絵に似ていることが逆に魅力になっています。
 
 どうしても"ともだち"は誰か?ということが物語の中心軸になってしまいますが、錯綜する小学校時代のあいまいな記憶が物語を混乱させており、私的には"ともだち"の正体よりも、過去の描写や過去を引きずる大人たちの物語が興味深かった。結果的にその楽しみ方はこの物語には合っていたのかも…と、エンディング後の話をみて思いました。

 物語と同時代を過ごしていたからこそ感じるものがあり、そうでない人にとっては"駄作"と言われてしまう危険性は確かにあるんだろうな。といいつつもこれだけヒットしたのは、単に日テレの全面的なバックアップと大量のCM、メディアミックスのおかげとも言えます。作品として高い評価を得られていないのが何よりの証拠。

 観客を選ぶ映画です。
 特に第1章は面白かったかな。

20世紀少年 BDセット (本編BD3枚+特典DVD1枚)※初回生産限定 [Blu-ray]

20世紀少年 BDセット (本編BD3枚+特典DVD1枚)※初回生産限定 [Blu-ray]

にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
にほんブログ村

「SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK OUTSIDE LEGEND 〜The Endless Odyssey〜」

Captain Herlock (Albator) : The Endless Odyssey - Intégrale - Edition Gold (4 DVD Livret) [import] [PAL]
松本零士の代表作「宇宙海賊キャプテンハーロック」は、何度もアニメ化されています。

1978年TV朝日「宇宙海賊キャプテンハーロック」が最初のアニメ化、次が劇場版「銀河鉄道999」(79)「さよなら銀河鉄道999」(81)での客演、その次が「わが青春のアルカディア」(82)でハーロック1世から3世までを映像化。その続編としてのTVシリーズ「わが青春のアルカディア 無限軌道SSX」(82年10月-83年3月)、OVAを挟み、久しぶりのTVシリーズ「SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK OUTSIDE LEGEND 〜The Endless Odyssey〜」があって、CGアニメ「キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-」(13)が最新のハーロックの映像化。それ以外にも西部を舞台にした「ガン・フロンティア」(OVA)とかあります。
 漫画では現在作画がお弟子さんになっている「宇宙海賊キャプテンハーロックー次元航海ー」としてリメイクされています。今年は最初の「宇宙海賊―」漫画連載からちょうど40年なんですね。


 03年の「SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK OUTSIDE LEGEND 〜The Endless Odyssey〜」は2003年に深夜アニメとして久しぶりに放送されました。放送時は全然事前情報を仕入れていなくて、しかも1クール13話だったのであっという間に終わってしまい、ほとんど見ていませんでした。
 作画は劇場版「銀河鉄道999」に近く、”これは面白いかも?”と思っていたので、いずれDVDで見ようと思っていたのにいつになってもレンタルされず、DVDは単品全13巻では食指も伸びずそのままになっていました。
 監督は78年のりんたろうさん、キャラクターデザインは「宇宙戦艦ヤマト2199」や「地球へ…」の結城信輝さんでした。
 今日は台風接近で終日土砂降り。昨日の夜にamazon見てたら、海外版の「―OUTSIDE LEGEND」が1900円と激安。PAL方式なんで、プレイや―では観れませんがPCだったら見れるし、日本のNTSC方式に変換するか、最悪PAL方式再生できるプレイヤー買っても日本盤買うより安いと思い衝動買い。日本のDVD/Blu-Rayは、なんであんなに高いんだろう…。
 お話しは、78年版の続編ですが、設定が随所で異なっているため同じものとしてみると違和感を感じます。
 松本作品って作品毎に設定が異なるので、まったく整合がとれません。なので、"似たような別の話"と考えないと混乱します。40年前の78年版がオリジナルキャラクターも含め好きなのですが、今回もりんたろう版の最新のハーロックストーリーと思えば楽しめます。

 

「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」

 
宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟(初回限定版) [Blu-ray]
 上映時以来2回目。久しぶりに観ました。
 映画で観た時は、「うーむ蛇足な物語。まぁ外伝的な感じだからいいか。ガミラス・ヤマト連合軍と蛮族ガトランティスの戦いは見ごたえあったし」と思って納得していたんですけど、改めて観ると結構よかった。
 松本零士のコミカライズで「永遠のジュラ編」という外伝があって、「永遠のジュラ編」は、往路の物語、「星巡る方舟」は復路の物語という違いはありますが、その立ち位置に近い。

 ガミラスと講和し、イスカンダル波動砲封印の約束をして、帰路を急ぐヤマトが、正体不明の艦隊に襲われる。蛮族ガトランティスの艦隊。火炎直撃砲の攻撃を辛くも避けたものの、無理なワープで異空間に迷い込む。更に操舵不能に陥って、謎の惑星に誘い込まれる。
 探査艇<コウノトリ>で、古代進は桐生美影、沢村翔、新見薫、相原義一、アナライザーが情報収集に向かうが、ヤマトとの通信が途絶してしまう。上陸し探索を続けていると森の奥に戦艦大和の艦橋があり、中に入ると「ホテル」になっていた。そしてそこには先客が…って話。

 本編から切り離されたお話しですが、しっかりと本編のテーマであるところの異民族(異星人)との相互理解が描かれています。

 音楽も本編や、旧作からリファインされた曲(「―永遠に」の「新銀河誕生」をエンディングに持ってくるとは泣ける!)とか、エンディングテーマ「Great Harmony ~for yamato2199」平原綾香もいい曲。

 今、ノベライズを読んでいて、これがまた行間を埋める内容で良いです。

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN DVD 通常版

2015年・樋口真嗣監督・東宝
人気漫画「進撃の巨人」実写映画の前編。
 酷評だったので見なかったのですが、GEOレンタルが安かったので前後編借りました。とりあえず前編を観ました。
 アニメ版2期が始まっていますが、1期は大体観ていたので基礎知識はありますが、逆にこの映画は基礎知識なしで観た方が良いようです。「進撃の巨人」は、単に異世界の巨人との対決戦記ものではなくて、主人公や登場人物のビルドィングスロマンだったりします。仲間との関係や戦いへの疑問、守る事の大切さなど、そういう面がしっかりと描かれているから漫画原作があれだけのヒットとなっている。ところが映画版はそういった葛藤を完全に失くしてしまっている。
でも絵的にはすごく頑張っている。立体機動もかっこよかった。巨人による人間の捕食もなかなか気持ち悪い。90分ではストーリーを追いかけるだけでも無理があるし、そもそも原作者からはストーリーを変えてほしいとまで言われているので、原作とは別物という見方が正しい。
 しかしながら「進撃の巨人」の名前を冠している以上、集客は原作ファンをメインに考えているだろうし、そんな中原作の表面だけをさらりと流されても酷評は当たり前。ここらへんが原作付実写の難しいところ。
 ミカサの水原希子は見た目の雰囲気合ってたなぁ。唯一の評価点。

「黒部の太陽」

フジテレビ開局50周年記念ドラマ特別企画 黒部の太陽 DVD-BOX
黒部の太陽」は、関西電力黒部第4ダム建設で建設資材を運ぶ大町トンネルの掘削を描いた物語。一番有名なのは、1968年の三船敏郎石原裕次郎W主演の映画版ですが、それ以外に1968年にTVシリーズが、2009年に香取慎吾君主演で前後編のTVスペシャルがつくられています。


 映画版は2013年にソフト化されるまで殆ど上映されることなく幻の名作と呼ばれていましたので、09年のスペシャル版は久しぶりの映像化でした。
 放送時に所用があってみることができず今回やっと観ました。もう8年も前になるんだ…。


 映画版との大きな違いは石原裕次郎の演じた岩岡(熊谷組岩岡班)のキャラクターを熊谷組大町作業所工事課長、木塚(ユースケ・サンタマリア)と熊谷組・倉松班、香取慎吾(倉松)の2人に分けたこと。京都大学を出て土木設計をやっている石原裕次郎の実家がトンネル屋というのは、石原裕次郎のスーパーマンぶりが際立ちますので、このキャラクター分けはありでしょう。結果、滝川(小林薫、映画版では北川(三船敏郎))の長女と結婚するのはエリートのユースケサンタマリアになりました。

 TVドラマと映画の演出の違いはありますが、4時間以上もあったのだから、映画版で描写されていたその他工区についても入れるとより深みが増したと思います。TV版のみのキャラクターで深キョンが途中で死んでしまう若い職人の恋人で出ていました。よくとらえれば時代を映すのには効果的だったかもしれませんが、特に回想シーンがあるわけでもなかったので扱いが軽かったのが残念。


 「黒部の太陽」。トンネルを掘りぬいて見上げる黒部(側)の太陽という意味だったんですね。そのシーンがあって初めて理解しました。石原裕次郎が出てるから"太陽"なのかと思ってましたw

 前後編2枚組のDVDなので観ようと思うのに気合がいりますが、見始まったらやっぱり止まりませんでした。

 

「ブルークリスマス」

ブルークリスマス 【東宝DVDシネマファンクラブ】
1978年・岡本喜八監督。
先日サウンドトラックが初CD化。劇場公開時は映画館の「次回上映」のコーナーに貼られているスチールを見た記憶はあるけど、少ないお小遣いの中で選択するほどの情報はなく、結局レンタルビデオで観たのが最初でした。

 京都で行われた科学者会議で日本の兵頭博士(岡田英次)が予告なく宇宙人の実在に関する発表を行ったことが原因で突然失踪する。国営放送の記者南(仲代達矢)がこの事件を追ううちに、UFOに遭遇した人間が青い血に突然変異している事実にたどり着く。そして青い血の人間に対する世界的な謀略が始まる。

 SFものだけど特撮、(時代的にも)CGいっさいなし。宇宙人も出てこない。異物を排除する国家的謀略を描いた作品で、人の中にある差別意識、そこから派生する虐殺を描いている珍しい作品です。
 「北の国から」前の田中邦衛竹下景子が兄妹役で出ていて、しかも竹下景子の可愛さといったらありません。悲劇のヒロインに相応しい薄幸な感じがたまりません。

 クリスマスイブ、世界中の青い血の人々が次々に虐殺されていくラストは不条理を感じます。そして国防庁特殊部隊の沖(勝野洋)は、クリスマスを2人で過ごそうと準備をする西田冴子(竹下景子)のもとに行く…。

 サントラも買っちゃったw

ブルークリスマス オリジナル・サウンドトラック

ブルークリスマス オリジナル・サウンドトラック