注文していたDVD『実録・連合赤軍・浅間山荘への道程(みち)』が届く。映画を観て早1年。若松孝二監督渾身の作品。『太陽を盗んだ男』の長谷川和彦監督が作る作るといっていつまでたっても作らなかった連合赤軍もの。
内容は、以前このblogでも触れました。(http://d.hatena.ne.jp/hee/20080405)
登場人物は全て実名、連合赤軍の成立から12人の同志粛清、あさま山荘での銃撃戦までを丁寧に描いています。連合赤軍の歴史をみるならば、題材の『光の雨』『「突入せよ!」浅間山荘事件』よりも深く知ることが出来ます。
表面的な歴史の事象としてしか見ないと若者の狂気で片付けてしまいがちですが、何故こんな凄惨な事件が起きてしまったのか、どこでボタンの掛け違いがあったのか?この事件を受けて今私たちは何を考えてどう行動すればよいのかを突きつけられる作品です。
重い作品であることは間違いないのですが、重いものを避けていたのでは進歩はありません。筋肉をつけるには適度な運動が必要なように…。
人との争いを避けることはいいことだと思いますが、必要以上に意見を戦わせることを避けるのは決してよいことではないと思います。今の閉塞感を産んでいるのは、誰も傷つけたくない、誰からも傷つけられたくないという甘えの構造ではないだろうか。意見を戦わせ、相手の意見が正しいと思えば素直に理解しあう。主張する意見には全て否定するだけでなく認め合える部分も必ずあるはず。それを発見しあうことでお互いに成長するんだと思う。
連合赤軍事件を肯定はしない。どんな理由があるにせよ人の人生を奪う権利は誰にもない。しかし自己主張することも否定してしまうのはよくないんじゃないかなぁと思います。
レンタルもされているので、未見の方は是非。重い作品なので心身ともに健康な時の視聴をお勧めします…。
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