北森鴻・講談社文庫
久しぶりの北森作品。とはいえ、8割方読んでしまっている。本当に惜しい人を亡くしました。
博多、長浜で屋台のカクテルバーを営むテッキ(鴨志田鉄樹)と結婚相談所の調査員キュータ(根岸球太)の幼馴染コンビが、舞い込んだ事件を解決する"バディ"もの。雰囲気は「傷だらけの天使」の亨とアキラのよう。
「傷だらけの天使」は、探偵事務所の下請けコンビでした。かつてTVドラマで探偵ものをよくやっていましたが、最近は探偵という仕事そのものが、さほど事件調査をするわけではなく大体が浮気調査とかで、探偵という職業に夢や希望がなくなってしまったせいか、あまりドラマの題材にならなくなりました。そういう意味では、結婚相談所に調査員という仕事があるかどうかはわかりませんが、そういうのもありかと。
冷静で、洞察力のあるテッキと破天荒で軽いキュータのコンビは、緩急あって面白い。キュータの軽さは救いですが、物語を回しているのは専らテッキ。自ら動かずひらめきで問題解決してしまうところ安楽椅子探偵の趣きもある。でも最後は、テッキ自ら問題解決に向かう。切ない幕切れでした。
テッキとキュータシリーズはもう1冊あります。どのように続くのか期待。
- 作者: 北森鴻
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/08/12
- メディア: 文庫
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