劇場では未見で、DVDになったばかりの頃1回観てます。最近、71年のTVシリーズ「仮面ライダー」を観返していて、(そういえばリメイクした映画あったよな…)と思い出して、コレクションから探し出してみて観ました。
ライダー、ショッカー怪人の造形、アクションはすごくいい。こんな感じ↓すごいかっこいい。
もっとも、観るべきところはそれだけといっても過言ではないところが哀しい(笑)。学芸会のような演技は、予算の都合上有名で上手い役者を揃える事ができないから仕方ないかもしれない。役者と呼べるのは冒頭出てくる石橋蓮司や本田博太郎くらい。既に鬼籍に入っている天本英世をデジタル出演させるという暴挙も"死神博士"のインパクトで画面に花を添えたいというスタッフの気持ちも分からないではない。一番大きな問題は、脚本でしょう。90分という中編の中で、本当に見せたいのは何なのかよくわからない。
唐突に現われた軟派な一文字隼人も、確かに本郷に比べれば明るいキャラクターではあるけれど、女の為にショッカーを裏切るという設定は苦笑するしかない。しかも、本郷は、自分の研究していた氷の結晶を改造された複眼を通して見る事で、洗脳から解けたのに対して、一文字の洗脳はいつ解けたのか、そもそも洗脳はされてなかったのか。更に、改造人間は、全身の血を定期的に入れ替えないと"リジェクション"という拒絶反応が起きる描写があるけど、本郷は何らかの理由で"リジェクション"が起きず、一文字は"リジェクション"で苦悩する描写はあるものの平然とショッカーを裏切ってしまう。物語が進んでいくと"リジェクション"の間隔が短くなっているにも関わらず。
敵怪人に改造されてしまった病弱な2人(晴彦:ウエンツ瑛士/美代子:小林涼子)のお話も取って付けたような割には結構時間を割いている。本郷・一文字と緑川明日香の三角関係と対比した2人の恋愛を描くという感じなんでしょうけど、仮面ライダーに硬派なものを期待している私的には、ベタベタと甘過ぎてこれまた苦笑するしかない。
ワンカットだけ出てくる立花藤兵衛(宮内洋!・V3だよっ)も、突然サイクロン号を本郷に与えるけど、本郷が改造人間だと知るシーンもなく、本郷の理解者なのかもよくわからない。
極端な説明不足と余計なシーン、本来あるべきシーンがないなど、どうも映画としてのバランスを欠いている気がしてならない。こういう脚本で映画として出してしまうから、子ども番組の映画化という枠から抜け出せないんじゃないかなぁ。
造形とアクションがいいだけに本当に惜しい作品。
この後続編「仮面ライダー THE NEXT」では、V3が出てくる。これも以前観ました。FIRST同様、造形はいいのにお話的にはちょっと残念だった記憶がありますが、せっかくなので続けて観てみよっと。
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