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「オレたちバブル入行組」を読む


 池井戸潤 文春文庫。
オレたちバブル入行組 (文春文庫)

 TBSのドラマ枠「日曜劇場」で今年第2クール(7月〜9月)に放映されたドラマ「半沢直樹」前半、大阪編の原作です。
 
 かつては"ドラマのTBS"と呼ばれていたのに、最近は目立った良作ドラマは大体他局。90年代はフジテレビの月9に代表されるトレンディドラマや「相棒」をはじめ民放ながら硬派な良作を製作するテレビ朝日、ニッチな話題作を提供するテレビ東京など、最近の話題作はTBS以外から発信されることが多い。


 「日曜劇場」はTBSで少なくなったドラマ枠で、かつては一話完結のドラマをしていました。筒井康隆の「家族八景」を初めてドラマ化したのもこの枠でした(「芝生は緑」)。
 最近は、「華麗なる一族」「官僚たちの夏」「砂の器」など、硬派な社会派ドラマや漫画原作の「JIN-仁-」、コメディ「パパとムスメの7日間」など毎クールちょっと楽しみなドラマをやる枠です。

 
 最近TVオリジナルのドラマって少なくて、大体が小説、漫画を原作としています。しかしながら、原作を越える作品がなかなかないどころか、「ふざけんな」と思う事もしばしば。そういう意味では、原作を読んでみると「半沢直樹」は、原作を生かし更に補完し合ういいドラマだったことを改めて感じました。それは、脚本の力だけでなく、俳優、演出の力によるところが大きいのはいうまでもないのですが、そもそも、鳴り物入りの大型企画でなかったというのもこのドラマに幸いしました。
 社運をかけた大作ドラマの場合、主題歌タイアップや芸能事務所のごり押しで、原作の雰囲気をぶち壊しにするものが少なくありません。別にジャニーズが嫌いなわけでもないですが、「この主人公はどう考えてもキムタクじゃないでしょう」と思ったり、最近事務所の力が強くドラマに次々主演している剛力彩芽も、本人の良さをもっと生かせるドラマがあろうと思うのに、なんでもかんでも仕事をさせてしまうのはいらぬ反感を買うだけで、かわいそう。


 全然本の感想じゃないなぁ(^-^;)。もし原作を読んでドラマを観ていない人は、ドラマを観てほしいし、ドラマだけ観て原作を読んでいない人は是非原作を読んで欲しい。そんな帰任させる物語でした。
 ドラマに出てこない、半沢の同期も出てくるし、逆にドラマで半沢のライバルとしてでてきた国税の黒崎は、この話ではでてこない(続編から登場)。壇蜜の演じた西日本スチール東田社長の愛人も造形としてはTVドラマのオリジナル設定に深みがある。そういう比較をしながらも楽しめる作品です。

お勧め。