日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「妖星ゴラス」

妖星ゴラス [東宝DVDシネマファンクラブ]
1962年東宝本多猪四郎監督(特技監督円谷英二

 昨年から東宝シネマファンクラブと銘打ち期間限定で廉価DVDが発売されていて、そのキャンペーンで3作品買うと1本無料でもらえるというのがありました。何気に観たいDVDは既に買ってしまっているので、どれにしようか迷って選んだのが「妖星ゴラス」。ストーリーは知っていたしおそらく昔TVで観ていると思うのですが、まともに全編観たのはこれが初めてだったりして(^_^;)。


 地球に黒色矮星が迫ってくる事が判る。「ゴラス」と命名されたその惑星は、地球の8000倍の質量を持っているという。その惑星が地球に衝突することが確実になり、それを回避するには、ゴラスを爆破するか、地球を移動(!)させるかの2択しかない。地球全部の核兵器を集めてもゴラス破壊は出来ないということで、南極にロケット噴射基地を造り、地球の軌道を変えることになる。この能天気な荒唐無稽さ。しかも時代は1980年代とゆー。

 この噴射基地をゴラスが地球に近づく前に作るのが後半の見せ場。時間のない中突貫工事でつくっていると、巨大セイウチ(南極怪獣マグマ)が現われる。所詮セイウチ。隠れているところをレーザーでがけ崩れを起こし生き埋めに。
 やっと噴射基地が完成、地球が軌道を外れ無事後ラストの衝突は避けられたものの、陸地には高潮が襲い平地という平地は水浸し。ここら辺はまさに東日本大震災と見まごう大特撮。ミニチュアながら、都市が高潮に襲われるシーンはなかなか観応え有ります。
 この映画、本編以外の殆どをミニチュアで作っていて東宝特撮映画の中でもピカイチの出来ですね。ザ・昭和の志向した未来世界。実際に来なかった未来がここにありました。

 
 東宝特撮の美男美女も総出演。とはいえ困難に立ち向かう漢の物語なので美女は水野久美白川由美くらいです。だから男の方は東宝オールスターです。池辺良、久保明平田昭彦佐原健二、そして偉い人藤田進などなど。チョイ役で天本英世も出てます。


 この手の映画、今ならハリウッドが恥ずかしげもなく作りますが、アメリカ映画と根本的に違うのは、もし隕石衝突なんて話だったら、アメ公なら破壊しようとするところ、地球を逃がす方法に全精力を固める。まさに専守防衛w。さすが日本です。


 SFXに慣れた人にとってミニチュア特撮はちゃちでださく見えるかもしれませんが、これ全部手作りだって考えて観ると(邪道な観方かもしれないけど)なかなかすごいです。しかも50年以上前の作品。日本人ならある意味必見の作品でした。