先日何となくyoutubeを見ていたら昔のラジオ番組「月極ラジオ」というのを発見。MBSの深夜放送で2006年1月、作家、上方演芸研究家の戸田学さんの回で、映画をネタにフリートークをする番組で、そも第2回目が「砂の器」をテーマに話をしていたものがyoutubeに上がっていました。パーソナリティの戸田学さんの声帯模写が素晴らしく、まるで映画を見ているようなあらすじと解説で一気に引き込まれました。
いままで何度も映画化TVドラマ化されている「砂の器」は、それぞれ微妙に設定が異なっており、また制作された年代、演じた俳優さんの好悪で、個人的な評価は分れると思いますが、映像化作品の中で傑作なのは、やはりこの74年松竹版ではないかと思います。今年、古い映画をデジタルリマスター―して全国を回って上映している映画会「第二回 新・午前十時の映画祭」(http://asa10.eiga.com/)でも初回上映が終了した7月25日までの16週間で1万588人と、これまでトップだったロバート・ワイズ監督『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)の7433人を大きく上回る動員記録を達成したらしい。上映スケジュールはこちら→(http://asa10.eiga.com/2014/cinema/422.html)。家の近くだと、海老名が来年3月だからここで観に行こうか…。ビデオ、DVDではもう何度も見ているのですが、スクリーンでは未見なんです。。
というわけで、家に帰ってからDVDで何度かの再見をしました。今から40年も前の映画だから、古い印象は仕方ありません。しかしそれを超えて訴えかけるものがこの映画には有ります。
親と子の愛情、仕事に取り組む姿勢、そして運命の残酷さ。勿論殺人は許されない事だけど、犯人に対して単純に利己的だと断罪するには重すぎる人生。
映像的には、日本の原風景、四季折々の美しい姿と共同体になじまない者への容赦ない差別。そんな中でも正義を貫く人。美しさと醜さが混然と表現されています。
観たことない人は是非見て欲しい邦画の大傑作です。
本浦親子の遍路行を中心にダイジェストした動画がありました↓