日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「北の国から'92巣立ち」

 菅原文太さんの出ている「北の国から」を見たいと思い引っ張り出してみたら止まらなくなりました(^_^;)。

 
 富良野に父親と妹と移り住んだ純くんは、東京への想いが捨てきれず、中学卒業と同時に上京して、雪子おばさん(竹下景子)の元で暮らしながら、昼間は工場で働き定時制高校に通う。そこでの話が前作の「'89帰郷」でした。「'92巣立ち」はその3年後のお話。

 前作で事件を起こし、職を転々とした純くん、今はガソリンスタンドで働いてました。ある日GS近くで駐禁とられそうになっている女の子を助ける。それが宅配ピザ屋で働く"トロ子"(裕木奈江)。
 純くんは、札幌にいる幼馴染、大里れいちゃん(横山めぐみ)と遠距離恋愛中。古い映画をレンタルビデオで借りて同じ時間にみて、その後感想を電話でお話する"疑似デート"を続けているけど、若い純くんはそれでは満足できず悶々とした日々を過ごしている。
 そんな時、偶然レンタルビデオ屋さんでトロ子と逢う。トロ子も古い映画好きで沢山見ていて意気投合する。
 一緒にビデオみたいね、という話になったものの、トロ子は鹿児島出身で、叔父さんの家に寄宿している。純くんも借上げアパートの為、女をつれこむことができない。そこでトロ子は「ラブホテルに行けばビデオ見放題」といい、純くんを誘って、渋谷のラブホに向かう。
 トロ子は純粋にビデオを見る為にラブホに誘ったけど、純くんはもうドキドキ。最初にみたのは「ニューシネマパラダイス」感涙するトロ子の隣で純くんは女の子とラブホに入るのなんて初めて。ドキドキでストーリーなんか頭に入らない。2本目「南極物語」を見ていた時についに純くん爆発してトロ子を押し倒すけど、トロ子は元々そんな気はさらさらない。ぎくしゃくする2人。そして、自分の過ちに気がついたトロ子は純くんを受け入れる…。
 遠距離だけどれいちゃんという彼女がいる純くんは、欲望に負けて手近なトロ子との逢瀬を重ねる。そのうちトロ子の妊娠が発覚する…。ところまでで前篇。

 
 一人で堕胎したトロ子。身を寄せている叔父夫妻から呼び出された純くんは、病院の廊下で殴られる。この叔父さんが菅原文太さん。いやぁ文太さんが叔父さんと知ってたら手ぇ出さないよねw
 実家の連絡先を不承不承答えた純くん。「電話は?」「電話ないんです」「嘘付け!今の世の中、電話のない家なんかあるか」…いや五郎さんの家は電話どころか電気もないわ…。
 なんかの手段で連絡を受けた五郎さん、純くんの勤めるガソリンスタンドに現われる。珍しくスーツ姿。
 「謝まっちゃお。俺謝るの得意なんだ、俺と一緒に謝ればなんとか許してもらえるって」いやいやそんな簡単な話じゃないよ…。
 で、文太さんのところにいく五郎さんと純くん。着くや否や鞄からカボチャを5個文太さんの前に積む。まさかかぼちゃで許してもらおーってんじゃないよねw
 居間に入る文太さん夫妻と五郎さん、純くん。2人はテーブルをはさんで、畳に頭をこすりつけんばかりに土下座。「頭を上げてくれ、それじゃ話も出来ん」と少々あきれ顔の文太さん。
 「あんたはとにかくすっ飛んできた。それもあんたの誠意なんだろう。想像してくれ。その蛍さんがどっかの不良にひっかけられて孕まされた。あんたそん時どう思うね。本気になって想像してみてくれ、タマコの父親は鹿児島にいる。警察官だが、底抜けの善人だ。俺は兄貴がこのことを聞いた時、どんなふうに思うか何日も想像した。だからあんたも想像してくれ。あんたのその、蛍さんか、蛍さんが誰にも相談できずに恥を忍んで産婦人科を調べてひとりで診察台に乗る。その時のことを本気で想像しろ」
 そこで文太さんの名セリフ
 「あんたはさっきから誠意と言っている。あんたにとってこうやっていることが精一杯の誠意かもしれんが、こっちの側からは誠意にとれん。誠意って何かね?
 

 ズシンと来ます。
 自分が誠意だと思っていることでも相手に伝わらなければ誠意でもなんでもないんですよね。こういうことよくあります。「一生懸命やってるのに判ってくれない」「自分は精一杯やってるのに相手にとっては普通のことだと思われている」もう毎日そんなことだらけです。
 でもちょっと待って。逆に自分としては大したことをしていないつもりの事が、相手がすごく喜んでくれるというのも一方であります。
 要は、相手が求めていることをちゃんと理解してるかどうかが大切だってことです。

 
 この後五郎さんが、ログハウス再建の為に長い間皮を剥いてきた丸太を300万(原木の原価)で売り、未払い分の200万を中畑木材(地井武男)を払い、残りの100万を文太さんに現金書留で送ります。

 文太さんはこのお金をどうやって作ったか判りません。でも100万もの大金を五郎さんが作り送ってきた。そのことを誠意として受け取ったんでしょう。トロ子を通じて純くんに返します。お互いもう忘れようと言って。

 そしてトロ子との最後のデート。トロ子が一言呟きます。「東京はもういい。卒業する。」と。


 純くんのお話の合間に、蛍の看護学校卒業後の進路の話、草太兄ちゃん(岩城滉一)の結婚の話、そして五郎さんが屋根から落ちて危うく死にそうになる話があります。
 
 どうしても純くん目線で観てしまう「北の国から」ですが、親となり五郎さん目線で見ると子どもの巣立ちとその時に自分ならどうするか、子供との付き合い方を考えさせられます。

 TVシリーズ含むとDVD24枚。全部いっき観はなかなかできませんが、観始まると止まらない名作中の名作です。


=2016.2.5追記=
今日「'92巣立ち・前編」BSフジで再放送していました。
拙blogアクセス数ウナギのぼりw 感想などコメントいただけると嬉しいです。
ちなみに、これ以降も毎日更新続けていますので、続けて読んでいただけると嬉しいかも。ドラマの感想とかもたまに書いています。

=2021.4.3追記=
田中邦衛さんの訃報でいらっしゃった方が多いらしく、昨日から当blogのアクセス数が急に増えてます。初めていらしていただいた皆様、ありがとうございます。最初は純君の目線で見ていた自分が、今は五郎さんの目線で観るようになりました。2006年から毎日雑文更新を続けています。ドラマや映画、本の感想、日常のいろいろを書いておりますので、続けて読んでいただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
 

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