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「孔雀狂想曲」

 
孔雀狂想曲 (集英社文庫)
 北森鴻 著・集英社文庫


 民俗学ミステリーの蓮丈那智シリーズがすごく面白くて北森ワールド探索中。
 骨董屋さんの"雅蘭堂"を舞台に、主人の越名集治が、持ち込まれた骨董品に纏わるドラマを解き明かしていくミステリー短編連作。骨董品に絡んだ殺人事件はあるもののその骨董品の来歴や周辺についての解説が面白い。「ビブリア古書堂」シリーズの骨董屋版といったところ。
 なおこのお話の主人公越名は、北森作品の別シリーズで骨董の旗師、宇佐見陶子"旗師・冬狐堂シリーズ"に出てくるらしい。要はスピンオフ小説。冬狐堂シリーズ読んでないけど充分おもしろかったので、今度は冬狐堂の方読んでみます。

 さて「孔雀狂想曲」は、次の8篇からなる。
ベトナム ジッポー・1967」
「ジャンクカメラ・キッズ」
「古九谷焼幻化」
「孔雀狂想曲」
「キリコ・キリコ」
「幻・風景」
「根付け供養」
「人形転生」
 骨董って特定のジャンルだけ詳しくても駄目で、それこそ絵画、焼き物、ビスクドールからはてはジッポーまで沢山の知識が必要。そうじゃないと贋作掴まされる可能性大。
 まったく知らない世界ですが、そういう世界に興味を持たせてくれるお話でした。しかも短編で小気味いい、それでいてとても爽やかな余韻を残す終わり方もよし。


 門外漢の私でも楽しく読めましたので、万人向けだと思います。お勧め!


孔雀狂想曲 (集英社文庫)

孔雀狂想曲 (集英社文庫)