梶原一騎原作/井上コオ画
GYAO!でアニメ見てたら「そういえば原作通して読んだことないなぁ」と思い読んでみた。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、1971年36号より1974年42号まで連載。wikiによるとアニメ化先行の企画だったとの事。ただ漫画が先行発表されたものの人気は低迷、あわや打ち切り寸前にアニメ化が正式決定、人気が盛り上がったという作品。
アニメは大塚康生(『未来少年コナン』や『ルパン三世 カリオストロの城』)のキャラデザで可愛い感じですが、井上コオの絵は荒々しくまさに"サムライ"という感じ。
漫画オリジナルの魔球ハラキリ・シュートやアニメに出てこないライバル、T大出身で頭脳プレーを得意とする広島東洋カープの明智学、ジャイアント馬場を彷彿とさせる長身&怪力の大洋ホエールズの不二立彦、ウルフチーフの代わりにドジャースから来たポポ・エンリコ。同じ阪神に入った天才剣術家、太刀風兵庫。アニメでは眉月光(ヤクルト)と大砲万作(中日)、ウルフチーフ(阪神)の3人だけだったので、キャラ的にもよけい「巨人の星」のライバル(花形、左門、オズマ)とかぶってしまったのは残念。アニメ未登場のキャラもなかな個性的でいいのに。
そして最後、大砲万作を相手に分身魔球を投げ三振に打ち取った後、マウンド上で立ったまま息絶える。16歳で入団し3年の短い命。享年十九。なんとも悲しいラストだ。
梶原一騎原作漫画は主人公はラストで死ぬ作品が多い。
「タイガーマスク」しかり、「愛と誠」しかり。「あしたのジョー」も最後は生死不明だけど、私的には真っ白にもえつきた=死と思っています。
「巨人の星」の飛雄馬は、左腕を壊し球界を去り死ぬことなく失踪し、数年後に復活をしてくる。「巨人の星」は倒れても立ち上がる不死鳥がモチーフだから。
アニメ版はストーリー展開キャラ造形的にも悲劇は似合わない。しかし、アニメを先に観て原作読んだらトラウマ必至。
作画の井上コオは新人で、恐らく他の梶原原作漫画と比べても梶原一騎のカラーがすごく強く出ている作品かと思います。最後空手道場で特訓をするくだりとか、天才剣術家、太刀風兵庫が出てくるところなど、このまま続けていたら暴走しかねないところでしたが、その後分身魔球〜立ち往生とあっという間に話が完結したのは作品としては成功だったかも。
アニメ知っていて原作を読んでない人は是非。新しい発見があります。
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