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「ウルトラマンF」

ウルトラマンF (ハヤカワ文庫JA)
 小林泰三著・早川JA文庫
 ウルトラマンシリーズ放送開始50年を迎えた円谷プロダクションと、創立70周年の早川書房の公式コラボレーション企画として展開スタートした特撮小説シリーズ「TSUBURAYA×HAYAKAWA UNIVERSE」第3弾(1.2は未読)。

 ウルトラマンが去った後の後日譚。ヒーロー連載中の「ULTRAMAN」(原作:清水栄一、作画:下口智裕)は「さらばウルトラマン」から40年後ですが、この物語は直後の世界。
 この小説では科特隊隊員の名前)がすべて漢字表記されています(ハヤタ=早田進、アラシ=嵐、イデ=井手光弘、ムラマツ=村松、フジアキコ=富士明子)。
 主人公はタイトルにある"ウルトラマンF"となる富士隊員ですが、大活躍するのは科学者井手隊員。実践に基づいた兵器開発は本編でもいかんなく発揮されていますが、この作品でも井手なくして話は進みません。

 ウルトラマンが去り、以前ほどではないにせよいまだ怪獣や異星人に狙われる地球。科特隊から地球防衛軍に再編成される少し前。怪獣の遺伝子や異星の技術を応用して新たな対外兵器の開発を続けている世界。
ウルトラマンメビウス」での"メテオール"(Much Extreme Technology of Extraterrestrial ORigin /地球外生物起源的超絶科学技術)の研究は、この頃からスタートしていた、というのは今後公式設定になるんだろうか…。でもまぁ単に廃棄処理とかしないでしょうから結構納得。

 ウルトラマンとの共闘で怪獣や異星人を撃退していたとはいえ、ウルトラマンなき後、地球の現有兵器だけでは対抗はむずかしい。そこでウルトラマン様の巨人兵器の開発を極秘裏に進めるグループがある。
 早田(ハヤタ)は、かつてウルトラマンと同化していたものの、その時の記憶はない。
 ある日、かつてメフィラス星人に巨大化させられた富士(フジ)隊員が巨大化。怪獣に対峙する。仕組みを分析する井手と巨人開発プロジェクトリーダーによるフジ隊員を巡る攻防と、その間に異星人、異次元人の侵略が次々に起きる。
 地球を守る為に戦う科特隊とウルトラマンFとなって戦うフジ隊員。
 そして最後に現れるのは、ウルトラマンを倒したあの怪獣。

 昭和平成を問わず、ウルトラシリーズ好きなら、にんまりしてしまうシーンが次々と出てきます。出てくる怪獣、異星人も見知った奴ばかり。そこから新しい物語が紡がれているのはそれだけでうれしい。
 「ウルトラマン」は居間から50年以上も前の作品で、オリジナルキャストは既に鬼籍に入っている人(ムラマツキャップ(小林昭二)や岩本博士(平田昭彦)他)もいますし、そもそも当時若手の隊員たちも70歳以上の高齢ですから、続編は願うべくもない。こういった形であれば、読み手がオリジナルキャストで脳内再生できます。

 荒唐無稽ではあるものの、SFとしての理由付けもされている為、読んでいて納得しながら読めます。

 ウルトラシリーズ、特に「ウルトラマン」好き、できればその他シリーズも見ているとより楽しめます。

 あ、ウルトラマンFの"F"は、フジ隊員ウルトラマン化計画(Female計画)の"F"ですが、隊員たちはFuji隊員のFと思っており、「それでもいいんじゃない」といっています。



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