日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「映画、この指とまれ」

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大林宜彦・構成/文野村正昭
1990年2月28日初刷
大林監督のひとり語りのインタビュー集。90年2月初版当時読んでおり、実家の片付けをしていて発見、読みたくなって29年振りに再読しました。
初めて大林作品を観たのは「HOUSEハウス」でした。監督自ら"電気紙芝居"というこの作品は、極彩色の絵の中に可愛い女の子たちを突っ込んだ作品でした。それまでこんな映画はなかったし、特撮ものは、いかに本物に近付くかを求められる時代。それは今も変わりませんし、山崎貴監督の一連の作品はハリウッドに引けを取らないCGですが、大林作品は敢えてわかりやすい映像で特撮する。だって目に映るものはリアルでなくてもそれを想像で補えるのが人間でしょ、といわんばかりに。いまのハリウッド映画を見慣れた人にとっては大林映画はチープなものに映るかもしれない。それでもこころに残るのは大林映画の方だったりするのはそういう理由のような気がします。

 大林監督の眼はとても優しい。演じる人々もそんな大林監督の人柄に惹かれて集まってくる。だから大林映画に出てくる人はみんな優しい。

 映画への熱い思い。人間賛歌。映画は監督だけのものではなく、俳優さんはじめすべてのスタッフの総合芸術です。監督の想いをみんなで形にする。そして観客もまた映画を構成する一部です。
 
 この本を読んでより映画が好きになった。29年前にこの本を読んだ時の気持ちが蘇ってきました。
 名著ですが、既に絶版で新しい読者には届きません。
 是非その後の事も追記してもらっての再刊を強く望みます。

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