西荻弓絵原作/飛松良輔画・ビッグコミックスピリッツ連載中
何気に今日も練習してきました。GW中何射してるんだ…(^_^;)。
星野勘左衛門を主人公とした三十三間堂の通し矢物語は、平田弘史作の漫画「弓道士魂」が白眉ですが、2006年発行の完全版単行本は既に絶版(kindleで読めます)。初出は1969年、今から50年前の古い漫画ですので、若い人には敬遠される人も。
学生弓道のお話は、「ツルネ」をはじめ漫画でもいくつかあるし、登場人物画弓道部とか弓引きなんていうのになると更に沢山ある。でもがっつりと硬派な弓道作品というのは実は少なかったりします。
「天を射る」は、江戸時代前期、大流行した三十三間堂通し矢を目指す物語。主人公の勘左のモデル星野勘左衛門茂則は、寛文2年(1662年)総矢数10,025本中通し矢6,666本を記録、6年後、紀州藩葛西園右衛門が通し矢7,077本(総矢数9,000本)を射通され記録を破られたものの、寛文9年(1669年)、総矢数10,542本中通し矢8,000本で記録更新2度の天下惣ーを成し遂げた弓術の大家。
三十三間堂の通し矢は、長さ約121mの軒下を射通す競技。江戸時代に藩の威信をかけて記録更新を続けた。記録更新できないとその射手は切腹するなどその争いがあまりに過激になり、やがて下火となった。
第1巻は、尾張藩の下級武士の三男坊、勘左が弓を志し、長屋弓道場に入門を許され下積み生活を始めるまでの話。
下働きだけで、弓すら握らせてもらえない生活の中、その生活こそが弓の稽古に繋がっている事に気が付く勘左。続々と現れるライバル、師。
辛い事も前向きにとらえる勘左は、見ていて頼もしい。
歴史的な結末はわかっているけど、今風の解釈で行間を埋めていてとてもワクワク読めます。
続巻は7月発売とのこと。楽しみです。
- 作者: 西荻弓絵,飛松良輔
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2019/04/26
- メディア: コミック
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- 作者: 平田弘史
- 出版社/メーカー: グループ・ゼロ
- 発売日: 2015/10/08
- メディア: Kindle版
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