本日10月14日は体育の日。どーも古い人間の私としては体育の日というと10月10日の方がしっくりきます。。
だいたい春と秋に弓道場のある施設で「弓道体験会」なるイベントがありその指導補助をお手伝いします。
75分/1回で2回し。今回は10名以下と人数少なかったので多少楽でした。
しかし、まったく経験のない人に和弓体験をさせるというのはやっぱり無理があります。初心者教室ですら2か月後くらい、学生弓道ですと夏合宿の時に初めて弓を持つというのに、いきなり弓を持たせて引けるわけはありません。
的も射位から5m先くらい、余興みたいに的の周りには色とりどりの風船までしつらえて、外れても風船が割れて”賑やか”な感じに。。そういう演出必要なのかな。
この体験教室で弓道に触れて弓やりたいって思う人いるんだろうか。。
弓道は確かに敷居が高い。学生時代に経験した人ならともかく、社会人から始めるには週1回の教室に3ヶ月休まず通わないとまず引けない。しかも教室が終わってからも自主的に会に入り、練習をしたり試合、射会に参加するようにしないとなかなか上達しない。それも弓道人口が少ない理由のひとつだと思います。
矢を飛ばして気持ちがいい、中ると気持ちがいい、っていうのも始めた頃だけで、続けていくと奥が深くて辛い事ばかり。趣味でやってるはずなのに…。で、練習が疎かになり生活の中での優先順位が下がり中断してしまう。せっかく弓道に触れても長続きする人は半分もいない。これでは裾野は広がるどころか、逆に弓嫌いが増えるだけ。
確かに突き詰めていくと弓道は大変かもしれない。でもスタンスは人それぞれでいいと思う。弓引きが100人いれば100人目指すところが違う。学生弓道は、3年間、大学生は4年間で大会、インハイ・インカレ出場と共通の目標があるけど、社会人弓道は個々人が目標をもって臨めばそれでよいと思う。昇段したい人もいるだろうし、昇段よりも試合でいい成績を上げたい人もいる。試合も昇段審査も出ないけど、毎日的に向かい矢を放つことが楽しいという人もそれはそれでよい。それらをいっしょくたにして声を掛けたりするのが正直迷惑と感じる人もいる。大きなお世話だし、聞きたい事があれば自分から聞く。でもどのスタンスであっても、実は求めるところは正射なんですけどね。
いくら体験会という名目であっても、75分で弓を引かせることには無理がある。弓の楽しさは、弓を引くだけじゃないと思う。礼に即した所作、順番通りの動作で次々に進む射技。デモンストレーションでそういった美しい射を見せることも体験会としてありだと思う。競技形式でやれば、10分に満たない時間です。しかもいきなり射技をやらせ的を外しても風船が割れるなんて、子供だましもいいところ。
それでもせっかくの体験会ですから、今後この参加者の方々の中で会に入り一緒に弓が引けるようになるとよいかもしれません。