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「サザンクロスの翼」

サザンクロスの翼 (文春文庫)

高嶋哲夫著・文春文庫

 高嶋哲夫さんにしては珍しい戦記物。といっても軍隊の話でも、直接的な戦争の話でもありません。
 1945年夏、太平洋戦争の末期。特攻機の直援をしていた峯崎は、日本に残した両親と妹が東京大空襲で亡くなったとの報を受け取り、自ら特攻に志願する。しかし整備の行き届かない特攻機は敵戦艦に向かう途中に操舵不能となり無人島に不時着する。そこには戦艦瑞鶴にいた整備兵の野村がいた。しばらく2人で生活していたところに闇物資を運ぶ水上飛行機が満身創痍で無人島に来た。乗員は5人いたが、1人の女性を除き全員銃撃されて死亡していた。
 女性はインドネシア解放の為に武器を運んでいた。女は日米の激しい戦闘の中、飛行機の運転できる峯崎、整備ができる野村とともに無人島を脱出する。3人は無事目的地にたどり着けるか。といった話。

 冒頭は現代で、大手建設会社の会長、この会長は特攻の生き残りの老人で、ジャカルタ沖に沈む零戦のサルベージ作業を依頼、無事零戦を発見し、操縦席からひとつのハーモニカを取り上げる。引き上げた零戦はまた鎮めるというのが会長の依頼だった。そこにあった物語が語られる、という映画タイタニックと似てる構成です。


 戦争の描写はないとはいえ、南方戦線の悲惨さは随所に出てきます。至る所に獣や虫に食べられた死体、墜落した飛行機や沈没した船から命からがら逃げても待った居るのは人肉の味を覚えた鮫の群れ。ジャングルでは、食料もなく、赤痢チフスマラリアで死んでいく。
 戦争の悲惨さは、単に人が人を殺すという事だけでなく、敵味方関係なく自然の猛威が襲い掛かってくる。
 ジャングルで飢え死にしたり病死したりすることがお国の為なんだろうか。。

 戦争で技術が飛躍的に進歩するのは間違いないことですが、それ以前にその技術を使い、継承する人間の命が軽んじられるという大きな矛盾。まして、原爆開発以降は、小競り合いで終わることなく人類滅亡に突き進むことになる。

 戦争はかっこいいもんではない。戦争のない世の中がこれからもずっと続いてほしい。その為にできることをちゃんと政治家は考えて欲しい。桜を見る会なんてどーでもいいわ。

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サザンクロスの翼 (文春文庫)

サザンクロスの翼 (文春文庫)