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「BLUE GIANT」

BLUE GIANT(1) (ビッグコミックス)

石塚真一 著・小学館ビッグコミックススペシャ

ビッグコミック』(小学館)にて2013年10号から2016年17号まで連載。全10巻

 最近読む漫画といえば昔のリメイクもの(「銀河鉄道999  ANOTHER STORY アルティメットジャーニー」とか「クラッシャージョウREBIRTH」とか「幻魔大戦REBIRTH」とか)が中心で、唯一新しいのは弓道ものの「天を射る」くらい。冒険をしなくなってました。
 「BLUE GIANT」は、もう7年も前にスタートした作品ですが、実はかなり有名な作品で、マンガ大賞2016で第3位、2017年第62回「小学館漫画賞」(一般向け部門)、第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞していましたが、漫画雑誌を読まなくなっていて、まったく知りませんでした。昨年の最後のレッスンで、先生から勧められ読み始めたら止まらず、10巻一気に読んでしまいました。

 仙台に住む高校生、宮本大は友人とジャズライブに行き衝撃を受けサックスプレイヤーになることを決意します。宮本家は母が病気で亡くなり、父と兄、大、妹の彩花の4人で暮らしてます。サックスを買う為アルバイトをしてもなかなかお金はたまりません。ある時、兄貴が初任給を頭金にローンで大にテナーサックスをプレゼントしてくれます。毎日、広瀬川の河原で練習する大。リードを買っていた楽器店店主からライブに誘われ出てみるものの、曲の途中で常連客から音だけ大きくてうるさいと怒鳴られてしまう。でも大はめげずに練習を続けます。飛び入りをしたメンバーも大のサックスに可能性を感じます。ライブをしたジャズバー「バード」のマスター、川西は、大に音楽教室で生計を立てている元サックスプレイヤーの由井を紹介し、指導を受けることに。
 その後、東京に出た大は、超絶技巧の雪祈(ゆきのり)、高校時代の友人、玉田と3人で「JASS」(ジャス)という名でトリオを組み、演奏を始めるようになる。

 「世界一のサックスプレイヤーになる」という大のひたむきさ、サックスにかける情熱に周囲の大人たちが陰に日向に支援していく。現実であったら足を引っ張る奴もいるだろうし、罵声を浴びせられれば落ち込んでしまう事もあるはず。だけど大はどんなことがあっても、雨の日も雪の日も灼熱の日も広瀬川の河原で毎日々々サックスを吹く。最初は運指も知らず楽譜も読めなかった。まるで今の私と同じ(^_^;)。そんな状況でもCDを聞きながらずっと練習を続ける大。
 出てくる大人たちが皆優しい。本来であれば大に自己投影したいところですが、さすがに年齢的に無理。まわりの大人同様、大を応援しながら読み進めました。

 音楽ものの漫画って、古くは「いつもポケットにショパン」や、最近では「ピアノの森」「のだめカンタービレ」、前期のドラマになった「G線上のあなたと私」など沢山ありますが、どうしても男女の恋愛の話がもう一本の軸になっていることが多いです。しかしながら、「BLUE GIANT」は、大が高校時代に片思いをしていた水泳部の三輪 舞との話はあるものの、恋愛話には振れることがない。JAZZ一直線の硬派な漫画です。
 しかもお金の問題がそこかしこに出てきます。兄が買ってくれた大のテナーサックスは36回ローンだったり、JASSとして初めてもらったギャラが3万円で一人1万ずつ分けて各人がどう使ったかも描かれます。
 音楽は金にならない。それもしっかり描いている。だからこそお金は尊いし、お金に見合った演奏というものを大は考える。
  

 10巻までは日本での話で、続編の海外編「BLUE GIANT SUPREME」が既に9巻まで。2巻まで読んでます。しかも「BLUE GIANT」もまた1巻から再読しながら。
 久々にはまってます。

BLUE GIANT(1) (ビッグコミックス)

BLUE GIANT(1) (ビッグコミックス)