夢枕 獏著・フタバノベルズ
今一般的に”柔道”と呼ばれているのは、明治初期に嘉納治五郎が始めた嘉納流柔術、講道館柔道のこと。
明治以来、武士のたしなみとしての武道は、その役割を終えて数多ある柔術も風前の灯火。そんな中、官立東京開成学校(後の東京大学)に進学した治五郎は、柔術の師を探し学ぶことになる。天神真楊流と起倒流柔道を基礎として古流柔術の技を収斂させて、嘉納流柔術として一流をなすこととなる。これが講道館柔道の始まり。
柔道はじめて物語は、嘉納治五郎を中心に集まった強者の物語です。
「なげられていれば判る」「みていれば判る」という前時代的指導法を、頭の良い治五郎は理論化、体系化したことで、歴史の中に消えかかっていた柔術を復活させた。今や柔道は海外にも広く愛好家、選手がおり、国際的な武道となった。
講道館はどのように立ち上がったのか。当時の混沌とした柔術の世界が生き生きと描写されており、手に汗握る展開。
夢枕獏はこれまで「餓狼伝」「獅子の門」で格闘技小説を著してきました。両方とも30年くらい前に読んでいました。「誰が一番強いか」というシンプルな物語にぐいぐいと引き込まれて読んでいました。
今回は歴史小説。格闘技の原点、面白くないわけありません。
といいつつ、格闘技は苦手なんですけどね。
さ、第2巻読もっと。