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「日本沈没」上巻

日本沈没(上) (角川文庫)

小松左京著・角川文庫

 初刊は、カッパノベルズ(新書版)、その後文庫では、これまで、徳間書店、光文社、双葉社小学館で出ていました。
 小松左京に最初に触れたのは、緑背表紙の角川文庫でしたが、角川文庫には収録されず、初めて読んだのは徳間文庫、その後、小学館文庫で<第2部>と同時に第1部が出た時に再読、更に昨年kindleで上下合冊版<完全版>を読んでいます。
 今回初めて角川文庫になったのでまた再読しました。どんだけ好きなんだ…。なお、本編はもちろん改訂増補はありませんが、装丁、解説、あとがきなどがそれぞれ異なります。

 上下巻分かれていることで、物語のリズムがいい感じだなと改めて思いました。
 調査潜水艇の操縦士の小野寺が、東京駅の地下街で見つけた”亀裂”に言い知れぬ不安を感じる冒頭、その後、地球物理学者の田所博士の深海探査に加わるうちに、日本に迫る大災害の最前線のチームに巻き込まれていきます。
 政財界のフィクサー渡老人との面談で、科学者に必要なことは?と聞かれ「直感とイマジネーション」と言い切る田所博士。渡老人が総理とコンタクトし、D計画がスタートする。
 次々に起きる地震、噴火。いよいよ未曽有の国難が迫ってくることが確実になってくる。
 268p-318pの田所博士の講義が素晴らしく、終了とともに第2次関東大震災が発生する。上巻のクライマックス。これからつるべ落としのように日本列島が震えだす。日本及び日本人の将来を検討するために、京都の社会学者に協力を要請しに行く小野寺・・・というところで下巻に続く。

 「日本沈没」小説版の凄さは、科学者による調査と政府の動きだけでなく、市井の人々もちゃんと描いており、73年の映画が政府関係に焦点を絞り、TV版と06年は一般人視点が強い、2020は市井の人々の視点だけという、バランスを欠いたものではないという事。
 日本人なら読んでおくべき名作の一つです。
 さ、下巻を読もうっと。

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日本沈没(上) (角川文庫)

日本沈没(上) (角川文庫)