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「奇跡のリンゴ」

奇跡のリンゴ

2013年・中村義洋監督
 土曜日tvkでやってたのを偶然観たんですが、目が離せず最後まで観てしまいました。
 無農薬のリンゴを作ることがこんなに大変な事とは知りませんでした。幼馴染の木村美栄子(菅野美穂)の元に養子入りした秋則(阿部サダヲ)は、一緒に暮らす中で、美栄子がリンゴ栽培の際に撒布する農薬アレルギーで小さい頃から苦しんでいるのを知る。美栄子の為に無農薬でのリンゴ栽培を決意するが、それは当時、絶対に不可能な栽培方法だった。様々な方法を試す秋則だったが、10年経っても芳しい成果はなく、生活は困窮、ついに自殺を決意し森の奥に入っていく。そこで病気にもならず、虫もついていない1本の胡桃の樹を見つけて、下草などを刈らないで自然のままにリンゴの木を育てることを思いつき、それが大逆転のきっかけとなる。

 2時間ちょっとの映画では、現実の苦労の万分の一も描けないに違いありません。11年もの間挑戦を続けて、やっと無農薬栽培に成功した木村さんの執念もさることながら、奥様やお子さんが文句も言わずについてきてくれたのは本当にすごいこと。電気が止まりランプで生活する木村家。子供が病気にかかっても保険料を払っていないと、病院に行くのを躊躇したり、4つ畑も次々と人の手に渡る。リンゴ農家の仲間も”かまど消し”(青森県の方言で、財産をなくしてしまうどうしようもない人間のこと)と陰口を叩かれる始末。とはいえ、愚直に無農薬栽培を試行し続ける木村さんに最後は力を貸してくれる。

 今の世の中、短い時間で最大の効果を求めることが正解とされており、目先の利益や効率を求めて、考えることをやめて人から与えられる安易な手法に飛びつく事が多い。このお話しでいえば”農薬”。しかしそれが生産者を苦しめている事に目をつぶって…。我々サラリーマンも同じ。もっとこうすれば、もっと良くなるのに…と思っても時間がかかることは悪とされ、手法としての優先順位は限りなく下がる。挙句の果てにサラリーマンは心身共に疲弊していく。
 手間がかかることを避けて、挑戦を続ける事すら許されない。それは趣味の世界なら許されるけどビジネスの世界では許されない。本当にこんな世の中でいいんだろうか。
 
 世の中のほとんどの人が木村さんのような生き方はできない。だからこそこのお話がドラマになる。しかしこのお話しを見聞きして自分はどのように生きるべきか、それを考える事がまずは大切だよなと思いました。

 それはそれ、現実はそう簡単なもんじゃない、と矛盾の海をスイスイ渡っていける人が、出世できるんでしょうけどねw 

阿部サダヲ菅野美穂の演技が素晴らしい。観ていない方、今ならamazonプライムなら無料で観れます♪
ラストシーンは感涙必至です!
 
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奇跡のリンゴ

奇跡のリンゴ

  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Prime Video