日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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旧HP/最近みた映画・第4.5.6幕

第4幕『模倣犯

模倣犯』をみた。
SMAPの中居クンはカミサンのお気に入りだ。
宮部みゆき原作のこの作品は、公開当時かなりスポットCMも多く流され、
興味はあったものの例によって映画館まで足を運ぶに至らなかった作品。

結論からいえば、「あー金払って見なくてよかった!」です。
レンタルビデオ代も惜しいくらい。

それくらいひどいっす。

中居クンの演技は元々期待していなかったからよいとして、
シナリオが完全に破綻してます。

模倣犯=過去の犯罪を模倣した犯罪を犯すって事のはず。
映画の中でも犯人(中居くん)は指摘されているのに、
その過去の犯罪はなく、ブラフとして中居クンを引っ掛ける小道具になっている。
これでは中居クンの犯罪は『模倣犯』ではなくなってしまうじゃん。

ネタバレになりますが、『黒ひげ危機一髪』にタイトル変えたほうがいい。

多分、森田監督は、さまざまなシークエンスを散りばめて観客を楽しませようと思って
あんな映像になったと思うけれど、基本的な骨格がしっかりしていなければ、
単なる謎のばら撒きで、興味もてるわけがない。

ところが、こういう作品がそこそこヒットしてしまうから、
日本映画離れが進んじゃうんだよなー。

まったくゆゆしき問題です。

見る必要全くなし。

(03・東宝


第5幕『たそがれ清兵衛

たそがれ清兵衛』をみた。

日本アカデミー賞はいつまでたっても権威がないトホホな映画賞ですが、
少なくともこの作品賞をとった作品は面白いと思います。

たそがれ清兵衛』は02年の日本アカデミー賞受賞作。
宮使えの小役人、禄高50石がどれくらいかはよくわからないが、そのうち20石を
妻の病気の為の借金返済にあてているとゆうから、かなり生活はきつい。

で、アフター5の誘いも断り、うちに帰って内職と畑仕事をする。
黄昏時には帰宅してしまうからついたあだ名が”たそがれ”清兵衛・・・。

そんな彼だが、実は小太刀の師範代も勤めた剣の使い手。

一般社会で使い物にならないが、裏では剣の名手と聞けば「必殺」シリーズの
中村主水藤田まこと)が有名ですね。
この映画は裏社会にくびを突っ込まない中村主水の話かもしれません。

出世を臨まず、家庭を大事にする。
本家筋からいわれて(世間の手前)金もないのに立派な葬式を出す為、
武士の魂の刀を質入してしまう。

彼の場合、出世欲があるのに出世しないのではなく、家庭第一で出世は2の次だ。

この映画は中高年層に受けたらしいが、この映画が気にいった中高年層は、
主人公とは違い、「出世欲はあるものの出世できなかった」人々なんじゃないだろうか。

現代(いま)も江戸時代(むかし)も出世していっぱい収入を得たい、いい暮らしをしたい
というのは同じなんだろうな。
家庭を大切にしたいというのも一方の価値観としてやはりあるだろう。

いけないのは、出世できない理由を、家庭を大事にするからという理由にしてしまう事だろう。
出世と家庭の両立ができるというのは、傲慢だ。

多分出世欲は家庭を犠牲にして充足される。

この映画を見てそう考えた。

で、私?
そんなに出世しなくてもいいけど、収入は増えた方がいいな。



無理か・・・なら、好きなことができる環境さえ確保できれば、
出世しなくてもいいや。

(2002・松竹)


第6幕『犬神家の一族

角川映画といえば、大量の広告と、メディアミックス戦略で、どちらかといえば中身は2の次という論評が多いけれど、わたし的には丁度映画を良く観るようになった頃が角川映画全盛期だったこともありどちらかといえば好きな映画が多い。

犬神家の一族」は角川映画第1弾。
この映画を語る時、湖からにょきっと出る2本の足とか、犬神佐清(すけきよ)のゴムの仮面のおどろおどろしい場面ばかり取り沙汰されることが不幸だ。

「恐ろしい偶然です」
それをいっちゃあおしまいだけど、最後佐清あおい輝彦)がおかーさんの松子(高峰三枝子)夫人に言う
この言葉がこの物語の全てを語っている。

しかし、です。
そもそもの原因を作ったのは、松子、竹子、梅子の異母兄弟が青沼親子を辱めたからで、さらに大本は
犬神佐兵衛が女中に子供を産ませるどころか、家宝を与えるという愚行を犯したからにほかならない。

この物語は、犬神佐兵衛が死んだ所から始まる。
ものがたりの中心には常に犬神佐兵衛がいたのだ。

金田一耕助に謎かけをしたのは、古館法律事務所の若林ではなく、
犬神佐兵衛翁その人だった。

とはいえ。
雰囲気は、好きです。この映画。

那須ホテル女中(坂口良子)とのやりとり。
最後の古館とのやりとり。
こういったシーンがあるから殺伐とした物語がすくわれるのだなぁ。

(76年・角川春樹事務所)
所有ビデオにて