福井晴敏『終戦のローレライ』(全4巻/講談社文庫)を
遅ればせながら読む。
映画原作を依頼された作者が、
「第2次世界大戦・潜水艦・女」という三題噺を
見事に盛り込んで最高の冒険小説になった。
ヒロシマ・長崎の次の目標は東京。
これを阻止できるか潜水艦”伊507”
って、書くと簡単ですが、
さまざまな男の思惑、理不尽な戦争、秘密兵器となった少女が
複雑に絡んでくる。
この原作を2時間の映画にまとめようというのが
土台無理な話で、
映画版は、ちょっと残念な内容でした・・・。
折りしも今日は61回目の『終戦記念日』
戦争を体験した人は100人が100人とも物語を持っていると思う。
単に悲惨だとか、戦争はしてはいけないという表面的なものではなく、
(人が死んだり、人を殺したりする事が平然と行なわれる社会が
悲惨じゃないわけないじゃん。)
戦争を見つめる日が、年に1日くらいあってもいいかなと思います。
たくさんの人の(自然死ではない)死の上に成り立っている現在。
全ての人たちに黙祷。
…心の問題を強調するなら、
靖国神社にこだわることもないだろうに…。