鷺沢萠さんが亡くなって早3年の月日が経ちました。
『待っていてくれる人』は、
2002年.12初刊「この惑星(ほし)のうえを歩こう」の文庫化です。
鷺沢さんのエッセイは面白い。
その面白さは、「私こんな失敗しちゃったー、莫迦でしょー」的な
自虐的なものが多い。
人を嗤うのではなく、自分を笑いのネタにする。
本来笑いというものはこうでなくちゃいけない。
人を嗤うのは簡単だ。
でも、それを喧伝し、「あいつ莫迦だねー」というのは
下品極まりない。
なくなる寸前まで、世界中を飛び回り、
たくさんの友達に囲まれ、たくさんの人に愛されながら
35歳の若さで、死を選んでしまった鷺沢さんに
いったい何があったのか?
離婚経験あり、30過過ぎ、子なしで
待っていてくれる人のいない寂しさと同時に
気楽さがいい、と中に書いてありました。
寂しさはあったかも知れないけど、
たくさんの友達がいて、
待っていてくれる人はたくさんいたに違いない。
『待っていてくれる人』は鷺沢さんの"失敗話"の中に
「人ってこんなに優しいんだよ」ってことが
随所に現れる、
優しいエッセイです。
ご一読を。
- 作者: 鷺沢萠
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/04
- メディア: 文庫
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