昨日お客さんから聞いた話。
「団塊の世代が良くも悪くも問題になっているけど、少なくとも、こと日本の住宅をココまで粗悪にしたのは、団塊の世代の責任が大きい。
それまでの日本の家は、外国の建物に負けないくらい100年200年という将来を見据えた長寿命の質の高い建物だった。それを建てていたのは大工。外国は今でもそうだけど、大工という職業はとても位の高い職業だった。大工の中で一番えらいのは「棟梁」と呼ばれて技術は勿論、コミュニティの中心であり、重鎮であり、品格を重んじる職業だった。
棟梁になるには、徒弟制度を通して単に技術だけでなくそういった品格さえも学んでいく必要があった。
それが、高度経済成長の中、団塊の世代のマイホーム需要を補う為、たくさんの大工が必要になり、当然、本来充分な経験を積んだものしかなれないはずの棟梁(ひとり親方)を短期間でたくさん作ってしまった。
建築材料を納入する業者も技術的にも品格的にも未熟な彼らを「社長々々」と持ち上げ、外国旅行に連れて行ったり種々の饗応をして売上を伸ばしていった。
結果、残ったものは、安価で粗悪な材料と未熟な技術で作った、30年程度しか持たない家。
時代の責任も勿論あるのだけれど、無自覚にそれに乗ってしまった
団塊の世代の功罪は間違いなくある。」
という話。
この社長さんが、団塊の世代位の年齢なので、この話、妙に説得力がありました。
更にこの社長さん建築材料の販売店をやっていて、
「俺もその片棒を担いでいたんだけどね…」
といわれたのは印象的。
それで、10年前くらいから材料の販売は別の人に任せて、新築、リフォームの仕事をしているそうで、すかさず私、
「じゃ、今、質の高い新築やリフォームを旨としてやってるのは、"懺悔"みたいなもんなんですか?」
と聞くと
「そこまで大げさなもんじゃないけどね」と
笑ってました。
悪徳リフォームばかりが注目されるリフォーム業界でも、
こんなに真面目に考えて仕事をされている方も
実は結構いたりします。
家は一生の買い物といいますが、
子から孫へ一生どころか二生も三生も大切に使えば、
それこそずっと使える。
だからこそ、家を建てる時の会社選びは
慎重にいきたいものですね。