『その男、凶暴につき』1988年松竹 をみる。実に15年ぶりぐらい?
北野武初監督作品。深作欣二のリリーフ監督、当時ビートたけしとして人気絶頂、レギュラーも多く、深作監督とのスケジュール調整がうまくいかなかったとかいう噂もあるけど真相は不明。
初監督作品には監督のすべてが現れているというが、確かに今「キタノブルー」といわれる表現が、少ないながら出てくる。それまでの暴力の表現はどちらかといえば、字の如く「暴れまわる」激しいものだったが、北野武の暴力は、暴力的でない暴力、突然の狂気。
今、おとなしい中高生が突然"キレ"てナイフを振り回したりすることが話題になることがある。
生きていると、多かれ少なかれ我慢を強いられることがある。
人の中に暴力性があることは否定できない。
自分の中にも勿論ある。
ただ拳を振り回すことのみが暴力ではない。
暴力と呼ばれているものほとんどは静かな暴力なんじゃないかなぁと思ったり次第です。