日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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広瀬正を読む。

ノンフィクション作家の広瀬隆じゃないよ、正。
夭折のSF作家。夭折ってゆうとま40歳前になくなった場合につかう言葉ですが、37歳でデビュウだから47歳というたった10年間の活動は、夭折といってよいでしょう。
残したのは6冊の文庫に収まってしまうほど少ない。一時絶版になっていた集英社文庫が、昨年後半に復刊。古本屋を巡ってもどうしても手に入れられなかった『エロス-もうひとつの過去-』『タイムマシンのつくりかた』を続けて読みました。
基本的に時間をテーマにした作品が多いのですが、時間SFは緻密な構成をしないと読者に納得感が得られない。この現在と過去(もしくは未来)の整合性をどう作りこむかが重要ですが、広瀬SFはこの辺のところが実に見事で爽快感すらある。
処女長編の『マイナス・ゼロ』、耳鳴りかと思われた音(ツィス=2点嬰ハ音)が徐々に拡大して首都圏を襲う音災害パニック小説『ツィス』それと大歌手がもしも歌手になっていなかったら初恋の彼と一緒になって幸せになれただろうか…という『エロス』はお勧めの作品。
最近文庫本も新刊時期を過ぎると店頭から姿を消すことが多いので、本屋さんに行ったら手にとってみてください(集英社の回し者じゃないです。下の画像もアフェリではありません。念の為)

マイナス・ゼロ (集英社文庫)

マイナス・ゼロ (集英社文庫)

ツィス 広瀬正・小説全集・2 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)

ツィス 広瀬正・小説全集・2 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)

エロス 広瀬正・小説全集・3 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)

エロス 広瀬正・小説全集・3 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)