を読む。
著者は、生島淳さん。
最近の新書は、刺激的なタイトルで手にとってもらうという作戦なので、この本もその例には漏れていません。確かにタイトルに沿った内容にも触れていますが、駅伝、特に箱根を中心に、その面白さにあふれています。
日本は女子マラソンがオリンピックで常にメダルを狙える位置にいますが、最近男子はなかなか世界を舞台にしたマラソンでは勝てない。その原因が駅伝にあることは、おそらく間違いのないことでしょう。
だって、一人で、42.195km走るより10人が襷をつなぐ方がやっている人たちは勿論、観てる方だって面白いのだもの。
長距離ランナー、大学経営者、視聴率を稼ぎたいメディア(TV局)、それに駅伝を楽しみに観ている人、すべての思惑が一致した結果が、日本国内でしか戦わない駅伝に価値を見出すようになった。
世界で一番になることがすべてだという価値観は、あくまでもひとつの価値観であって、駅伝しかもたかが地方大会でしかない箱根駅伝(主催は関東学生陸上競技連盟)に自分の陸上競技人生のすべてをかける人がいたっておかしくはない。
別にそれはそれでいーんじゃないの?オリンピックだって結局政治的に利用されてる側面は間違いなくあるし、放映権をはじめとしたIOCの利権など、経済的な側面も切り離せない。更にいえば国威発揚がオリンピックの原点といっても過言ではない。と考えると、駅伝だけが悪者にされる筋合いはないはず。
長距離という点では同じだけど、駅伝とマラソンはまったく違う競技と著者も言う。
No1にならなくてもいい、もともと特別なOnly1。
あまりにもストレートすぎてあんまし好きな歌ではありませんが、要はそういうこと。
「駅伝なんてやだもんね、俺はマラソンで世界中の耳目を集めるんだっ!」
こういう人もいると思うんだよね。
そういう人をしっかりと育てる陸上界になったら確かにいいと思うんだけど・・・。
- 作者: 生島淳
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/12/13
- メディア: 新書
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