日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「『七人の侍』と現代−黒澤明再考」四方田犬彦を読む。

新聞の2面下段の新刊広告にあり、本屋で探して買いました。
黒澤明監督の「七人の侍」(1954)は、ミーハーと呼ばれようと私の中で邦画ベスト1作品です。この本は、過去の名作として段々見られなくなってきている「七人の侍」が、海外での映画研究をしている著者が感じた「海外では現役の作品として観る者のこころをうち続けている」という現実を元に、もう一度この作品の内容を見直してみるといった内容。
侍、百姓、野伏せりの3者を分解し、それぞれの描き方はどのようなものだったか、登場人物一人ひとりの役割、特に三船敏郎演じる"菊千代"についてはページを割いて解説しています。
ラストシーン「勝ったのは我々ではない。あの百姓たちだ」という有名なシーンも脚本段階では、偽侍の菊千代の土饅頭に刀を付き立て、「こいつは真の侍だった」というラストだったらしい。
それもありかも…と思いつつ、一人に焦点をあてるより、、4つの土饅頭が強い風に曝されている実際のシーンのほうが群集劇としてありのような気がします。


古い映画でしかも長いので、観たことの無い人もいると思いますが、日本人なら一般教養として観とくべき名作です。
この本は、「七人の侍」を複数回観た事のある人ならお勧めですが、1度も見た事ない人で興味のある人なら面白く読めるかも。。

『七人の侍』と現代――黒澤明 再考 (岩波新書)

『七人の侍』と現代――黒澤明 再考 (岩波新書)