朝日新聞社社会部編。
この事故は、マスコミにとっても初めての大事件。取材についての攻防は、フィクションではあるけれど横山秀夫『クライマーハイ』が秀作。では実際の現場は?ってことで気になっていたこの作品。これは、墜落の第一報からの24時間前後、新聞社がどういう動きをしたのかが克明に活写されている。
事実に叶うものない。短い時間で事故を克明に伝えようと墜落現場も判明していないのに2000M近い山中に分け入り、違う尾根で迷う記者たち。
圧巻は、4名の生存者を含む、524名全員の乗員乗客名簿。246頁から274頁までほぼ一人1行なのに、28頁延々と続く。そして、32分間の墜落のさ中書かれた遺書。最後はボイスレコーダの写し。
新聞記者がどのような気持ちでこの事故に臨み、事実を集め、記事を書いたのか。職業意識という一言では語りつくせない、プロ意識を感じる一冊でした。
お勧めです。
- 作者: 朝日新聞社会部
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1990/08/01
- メディア: 文庫
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