日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「クヒオ大佐」を読む

吉田和正著。
クヒオ大佐をご存知ですか?本名サー・ジョナサン・エリザベス・クヒオ。英エリザベス女王の双子の妹(!)とハワイ・カメハメハ大王の末裔との間に生まれた。。というのは真っ赤なウソ。北海道出身のれっきとした日本人。中卒後、職業訓練学校に進む。英語は一切しゃべれない。
軍服を着込み、無線(この頃まだ携帯はメジャーでなかった)を常に携帯し、米軍属として大活躍しているらしいが、それは世を忍ぶ仮の姿で、上記のようなやんごとない出自。ところが作戦の失敗で軍費に穴を空けてしまった。すぐに用意しないと軍法会議にかけられて結婚すらできない。お金は数千億円の資産があるが侍従が管理しているのですぐに出すことができない。ついては、当面必要な数百万円用意してくれ…。こう言って付き合った女性から金を引き出していた。
当然結婚詐欺師として逮捕、収監されるのですが、出所しても、また同様の詐欺を繰り返す。
この本は、このクヒオ大佐の結婚詐欺事件を小説化したもの。平成に入ってからも再犯しておりまだ被害者の傷も癒えない為か、ノンフィクションではないけど恐らくこういう事をしていたんだろーなと想像しながら読みました。
クヒオ大佐は、結婚詐欺をしようとしていたのではなくて、鈴木某というリアルな自分から離れたかったんじゃないか。で、それを実現する為には、クヒオ大佐でいる事がまず第1条件。架空の存在であるクヒオ大佐のまま仕事ができるわけもなく収入を得るために結婚詐欺に手を染める…。
50を超えてまで、結婚詐欺ができちゃうってのもある意味すごい。しかも冷静に考えればあり得ない設定なのに、騙されてしまうという不可解さ。
恋愛って何なんだろうと考えさせられます。
お友達のおひとり様たち。こういう男に騙されないでねー。

クヒオ大佐 (幻冬舎アウトロー文庫)

クヒオ大佐 (幻冬舎アウトロー文庫)