日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「檀」沢木耕太郎 を読む

新刊で買って10年寝かせました^_^;
本を買うとレシートを挟んでおく癖があり、巻末にあったレシートには2000年8月2日(水)20:20博文堂書店とある。この頃信濃町駅ビル3階に会社があって、駅前のこの本屋でよく本買ってました。。。
で、この本、「火宅の人」の檀一雄の奥様檀ヨソ子さんとの1年にわたるインタビューを、あたかも奥様本人が語っているかのような文体で書き進めたノンフィクション。沢木耕太郎のノンフィクションでは常に沢木本人の目線で語られているけど、この本はちょっと異質。でもこういう構成だからこそ、檀一雄という人、ヨソ子夫人の気持ちが痛いほどしみ込んでくる。
愛人を作りそれが嬉しくて奥さんに「事を起こしたよ」と嬉々として報告する檀。考えられないほど無邪気。
それにしても、檀一雄しかり、太宰治しかり、この頃の作家ってのはなんでこう露悪的に自分の莫迦な所業を小説にしてしまうんだろう。すべてを虚構で作り上げる想像力が欠如してるんだろうか…。
そんな檀を、それでも愛している夫人。愛人を作りホテル住まいを続け家庭を顧みない夫、たまに帰ってくればわがまま三昧の夫、それでも生まれ変わったらまた檀と結婚したいという。
女心はわからない。
これもまた、純愛の物語でした。
お勧め。

檀 (新潮文庫)

檀 (新潮文庫)