楡周平が「Cの福音」という新人とは思えない圧倒的な面白さでデビューして以降、ほぼすべての作品を読んでいます。楡周平に外れなしという状況の中、この「再生巨流」も全く問題なく読むことができました。
所謂経済小説ですが、根本は、ほかの作品同様、不可能な課題に果敢にチャレンジする男の話。目立ち過ぎて閑職に追われた男、部下を育てることができなかった男が、プロジェクトを発案し、その人間的魅力で人々をぐいぐいと引き付け、成功に導いていく。本当にこういう人が上司だったら大変でしょうが、単なる思い付きでない発想とその為に何が必要かがわかって行動しているので、ある意味部下としては信頼してついていけそうな気がする。
全く最近の上司というのは思い付きでものを言い過ぎる。状況判断もできず、理想だけに突き進んで行ったり、逆に、理論的に説明しても、やれ期間がとか、予算がとか、及び腰だったり。
事の成否はともかく、部下に夢を見させることのできる上司というのがやはりいい上司なんだと思う。勿論上層部にも夢を見させることで予算を引っ張ってくる事ができる人。
結局仕事も遊びも「この人と付き合ってるとなんか面白いんだよね」という人がすてきなんだと思う。
そういう人に私もなりたいです。
全然感想になっていませんが、お勧めです。
こんどWOWWOWでドラマ化されるらしい…。
- 作者: 楡周平
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/11/28
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (19件) を見る