日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「あしたのジョー」(新実写版) を観る。

hee2011-02-13

 一昨日朝イチの回を予約し出動。280席あるスクリーンは1/3位の埋まり方。3連休の最後とはいえ、思った以上(思った通り?)に少ない入り。観客は、「ジョー世代」と知らない世代半々くらいか。
 曽利文彦監督が得意のCGを廃し、その98%を実写で臨んだとのこと。拳が顔面を捉えるシーンもCGかと思いきやハイスピードカメラでの映像。人間って殴られるとこんな風に崩れるのね…。
 ストーリーは、最初のコミックスで8巻、TVシリーズで、50話150分を2時間でまとめるので、無理がない方がおかしい。どうしても語り足りないところ掘り下げ足りないところが出てしまう。「SPACEBATTLESHIPヤマト」同様、まずは、この潜在的なファンの多い作品をあえて実写映画化した監督の勇気を讃えたい。
 俳優陣の本気度も見所です。
 まずは力石役の伊勢谷友介。役作りの為に10kgの減量、水を求める演技の時に本当に4日間の水絶ちをしたとか。おかげで、原作通りの力石の造形が出来上がりました。この映画は、ジョーではなく力石の映画になっていました。主役を食うとはまさにこの映画。
 NEWSの山下君。彼も本物のボクサーらしい造形になっていました。試合のシーンは見事。「あしたのジョー」は試合のシーンも含め、漫画的な描写が多いので、特に両手ぶらり戦法からクロスカウンターに至る描写などはリアル感に欠けます。それにリアル感を付けくわえるためには、そこに持っていく試合運びがいかにリアルにできているかにかかっていると思います。やや、原作よりも優しい感じのジョーですが、かといって、あまり汚らしいジョーは見たくはない。ジョーの印象は、眼。漫画的な髪形は再現しようがありません。激しさ、寂しさ、優しさがないまぜになった眼。山下君がジョーだと言われれば充分ジョーになっていました。
 さて、まさに漫画から飛び出してきたのは、香川照之丹下段平。ジョーと力石がリアルなのに、特殊メイクまで施し段平のおっちゃんそのもの。原作よりも華奢なのが気になるかと心配していましたが、らくだのシャツ、腹巻、ニッカポッカの特に後ろ姿はまさしく段平です。ジョーのスパーリングパートナーをしたりする段平は、原作通りではちょっと太り過ぎている。香川段平くらいがちょうどよいと思いました。
 香里奈の葉子については、唯一?です。映画公開と同じ時期に「銀座のNo1キャバ嬢先生」というドラマをやってしまうという事務所の戦略性のなさ。香里奈、綺麗だと思うんですけど、白木葉子お嬢様っていうのはちょっと…。もう少し清楚な女優はいくらでもいると思う。
 目立っていませんが、白木幹之介(白木財閥・白木ボクシングジム会長)役の津川雅彦は良かったです。


俳優たちのこの作品にかける意気込みを観るだけでも十分価値ある作品です。
撮りたい映画を取ることができる。映画監督は大変でしょうが、自分の想いに共鳴してくれた俳優、スタッフがいて作品が仕上がることを実感できるいい仕事だと思います。そういうところやっぱり羨ましく思いました。