真山仁は、「ハゲタカ」「バイアウト(ハゲタカ2)」と「マグマ」を読みました。これは3作目。03年デビューで、7作、現在8作目連載中と寡作な作家さんです。
ハゲタカは、外資ファンドの話でTV化されました。「マグマ」は外資ファンドと地熱発電の話で、ハゲタカの姉妹編的な話。そして今回読んだ「虚像<メディア>の砦」は、TV業界の話。現実に起こった事件(某教団幹部に放送前ビデオを見せた結果弁護士一家が殺された事件、危険な中東に行き拉致され大問題になった事件等)をモチーフに描きながら、反骨のTV報道記者を中心にTVの世界の不条理をこれでもかというほど見せつけてくる。
仕事をやっていると、多かれ少なかれ政治的判断を上司から突き付けられることがある。世の中で正義を貫くのは難しい。でもみんな思ってるんだよね、「王様は裸だ」って。ただ、それを指摘しても、誰も喜ばない。声をあげた人の自己満足にしかならない。
全く、社会で生活をするっていうことはこういう汚れを身につけることなんでしょうが、そんな自分が嫌になる事がたびたびあります。
これが大人になるってことなんでしょうね。。
相変わらず感想になっていませんが、お勧めです。真山仁、何読んでも外れなしです。
- 作者: 真山仁
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (32件) を見る