たとえば、TVでしたり顔で皮肉交じりに批判をするキャスターやコメンテーターの話が、「庶民の味方ですよ」的な、極端に庶民寄りの発言を喋っていたりすると、「高給取りのお前がゆーな」と思うことがままある。
たとえば、派遣村騒ぎの時に、悪いのは企業や国家(社会)だという、派遣切りされた人々の肩を持つような発言が正論で、「いや派遣切りされるような人生舐めきって過ごしてきた奴が悪い」などというもんなら袋叩き似合いそうな世論が醸成されたりする。
確かに現象としてデフレが続いて、企業の業績が思うように上がらなくて、正規雇用が減り、正社員以外の雇用制度が生まれたけど、それは企業や社会だけが悪いのではなくて、雇用される側も「会社に縛られたくない」とか「夢をあきらめられない」などと現実から眼をそらした結果でもある。
そうそう、フリーターなんて言葉も耳障りはよいけど、ほんの数年前は、「プータロー」もっと前になると、ごくつぶし、はぐれ者、暇人などととんでもない言われかたをされていた
他のblogの書評とか見ると、酷評されています。確かに著者そのものが、慶大卒、外資系企業でバリバリ働いていたいわばエリートサラリーマンで、民衆よりの発言をしたところで「お前がゆーな」の噴飯もので、中は根拠となるデータを一切示さず自分の独りよがりな考えを羅列しただけではあるものの、うんうんと頷いてしまう内容であることも事実。特にサラリーマンっていうのはプロの集団で、リストラされるのは自分の努力が足りないから、なんて話は、身につまされますし、実際に学ぶことや努力することを放棄したサラリーマンには明日はないと思う。そういうサラリーマンは評価もされない。
とはいえ、この本を読んで、「そうだそうだ」と溜飲を下げている自分も、エリートの掌に転がされる間違いなく衆愚の一員ですorz。
- 作者: 楡周平
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/03
- メディア: 新書
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