日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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地震映画3題+1

 カミさんからは不謹慎だと言われ、確かにそうだと思い、しばらく封印していました以下のコレクション3作。もう何度もみているんだけど、どうしても気になったので観てしまいました。
 「日本沈没」(1973版)
 言わずと知れた名作です。何回見たかわかりません。何といっても丹波哲郎総理の演技が光ります。戦後の政財界を裏で操っていたという渡老人が、箱根の別荘に僧侶・心理学者・社会学者を集め国土を亡くした後の日本および日本人の行く末について不眠不休でまとめさせる。お互いが其々の立場でまとめた3つの意見書と合わせ、参考意見だが実はこの3人が最後にたどりついた意見は同じもので、実はそれが一番日本人としてしっくりくるものだと渡老人は言う。それは、「このまま何もせんほうがいい」ということ。美しい国土や想い出とともに民族の最後を迎えるというもの。心ではその考えに共感しつつも、為政者の長としては国民の生命財産を守る義務がある。ワンカットで進むこのシーンは、丹波哲郎迫真の名シーン。オーディオコメンタリーで、このシーンで丹波哲郎は、「なにもせんほうがいい」と繰り返しながら、涙を目に溜める時、キャメラに涙に濡れた眼を光らせるよう顔の角度を演技したらしい。丹波哲郎、やっぱすげえ。
 そんな中、官僚を中心としたグループは、1名でも多くの日本人を助けようと粉骨砕身する。この国難に対し一歩も引かない役人たち。
 もうね、いまだからこそ政治家連中に観てほしい映画です。
 「日本沈没」(2006年版)
 リメイクとは思えない困ったストーリー展開。特撮は、さすがに前作から30年以上経過しているので、なかなか見ごたえあり。日本は完全に沈没することなくまさに水際で国土を残すことになる。最後の決め手が、N2地雷ならぬ爆弾ってとこが、フィクションに拍車をかけている。
 原作、73年版と比較され評価の低いこの作品ですが、ハッピーエンド具合は、今見るに値する作品だと無理やりですが思います。73年版の次に待つのは、更に苦しい未来(小説版「日本沈没第2部」も悲惨な話でした)。殆ど失われたとはいえ、まだ国土が残っている2006年度版は、他国の支援を受けながら復活する光明を感じます。
 くさなぎ君と柴崎コウ…。ノーコメント…。
 「地震列島」
1980の映画。新藤兼人脚本なのよね。実はこの映画、当初観た時はチープな話とあまり評価をしていませんでしたが、今回改めてみて意外とがんばっていると思いました。勿論、勝野洋松尾嘉代、多岐川裕美の三角関係(永嶋敏行を入れると四角)は???ですけど。後半、怒涛のように始まる関東大震災の描写は、空恐ろしくなりましたし、東京で働く者として気をつけなければいけないことを改めて思わせてくれた内容でした。特典にあった中野昭慶特技監督の「東京で地震があったら、表に出てはいけない」というのは説得力あり。先日の地震の時に管理事務所から、近くの公園に避難するよう言われ、事務所で仕事をしていた社員(300人はいた)が全員避難したものの、その公園は狭く、周りはすべてビル、マンション。これさー、倒れてくることはなくても、ガラスとか割れて落ちてきたら危険じゃね?と思ったものです。
総理大臣は佐分利信。上の3作の中で一番総理大臣っぽかった。理想なのは、丹波総理、現実は佐分利総理、石坂総理(2006年版日本沈没)もいいのだけど、この2人に比べたら霞みます。


 さて、残り一本は、「日本以外全部沈没
 筒井康隆原作のパロディ。映画そのものの出来は??。原作の方が面白いです。何しろ日本以外全部沈没しちゃって、生き残った各国首脳が日本の総理大臣(村野武範・TV版「日本沈没」の小野寺役)に媚を売るシーンは爆笑だし、藤岡弘、(映画版「日本沈没」の小野寺役)も出ていたりして、そこそこ楽しめますが、何せチープ感は否めません。あくまでもジョーク作品として楽しむものです。映画館で観たら金返せもんです。


ま、どれを観ても最終的には、事実に勝るはないということ。たかが二時間程度で語ることのできない一人ひとりのドラマがあったことだと思います。

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