万城目学のエッセイ集。「プリンセス・トヨトミ」を買った時についでに文春文庫でその前に出ていたこれを一緒に買いました。
小説も面白いのですが、エッセイもなかなか飾らずに書かれていて普通に面白く読みました。
2年の社会人経験から、いきなり何の勝算もなく小説家になった話、如何にゴキブリが嫌いかを描いた「御器齧り戦記」、憧れのモンゴル旅行記「遥かなるモンゴル」など、万城目さんの生活の一旦が垣間見え、こういう生活からアー夕一風変わった作品ができるのだなぁと納得。
実は一番驚いたのが、タイトルにもなっている"万歩計"という言葉が、登録商標だということ。最終頁に初出一覧が載っているのですが、その最後にこうありました。
『「万歩計」は登録商標です。署名に使用することにつ家、ならびに文庫化に際して山佐時計計器株式会社の許諾を受けています。』
万歩計に触れている部分ってほんの一節で、エッセイのタイトルにすらなっていない。それなのにこの「万歩計」という言葉へのこだわりは、万城目さんらしい。
万城目作品を読んで面白いと思ったら、このエッセイを読む事をお勧めします。新たな発見があることうけあい。
- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/07/09
- メディア: 文庫
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