日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「ばかもの」 を観る。

 2010年 金子修介監督。
 地方の三流大学に通う19歳の"ヒデ"(成宮寛貴)。ある日奔放な年上の女性額子(がくこ・内田有紀)と出逢い、童貞を奪われてしまう。額子にのめり込むヒデだったが、突然、別れを切り出されてしまう。突然の別れに自暴自棄になり大学は留年、次第に酒に溺れるヒデ。就職後も酒浸りの日々は続き、生活は荒れる。姉の結婚式ではウエディングケーキを倒し、友達の結婚式で知り合った翔子(白石美帆)とつきあうものの泥酔中に正体をなくしてDVを。堪えられなくなった彼女も彼から離れていく。そんな時、飲酒運転で自損事故を起こしたヒデ。失意のまま、弱い自分に落ち込んでいるところに、額子が飼っていた犬、ホシノが寄ってくる。久しぶりに額子の実家であるおでんやに行くと額子の母から、額子は結婚をしていたが、酷い怪我をして今は一人になっている事を聞き、額子に会いにいく。そこには、左腕を亡くした額子が…。
 先日グリソムギャングで上映会がありましたが行く事ができず、DVDでやっと観ました。
 身体から始まった恋愛でも、別れて初めてお互いの大切さに気付くという今風な物語ではありますが、10年もの想いは、そんな不純な出逢いすらも純化させていくには十分な期間。酒に溺れていろんな人に迷惑をかけて、それでも生きている主人公は確かに弱い。でもこういう弱さは充分理解できるし、自分だって一歩間違えばまっとうな人生を歩めていない事だってありうることだから、莫迦な主人公を責められない。
 人って、誰かを傷つけて、誰かに傷つけられながらじゃないと生きていけない哀しい生き物。「ばかもの」の主人公は確かに「ばかもの」だけど、人間なんてみんな「ばかもの」です。物語は美しく幕を閉じますが、この後の2人は「幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」っておとぎ話のようにならないかもしれない。でも、10年という期間を切り取った時に一つの幸せな結末を迎えたであろう2人を幸せに見守りたい。そういう思いにさせてくれます。
感涙。お勧め。

ばかもの [DVD]

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