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「超・居酒屋入門」 を読む。

太田和彦著・新潮文庫

 元々、単行本『居酒屋の流儀』を底本とし、雑誌「味の手帖」に連載「私説居酒屋考現学」とそのほかに発表された原稿を加え文庫化されたもの(あとがきより)。居酒屋に関するエッセイ集なのですが、しかし、なんてダサいタイトル。もっとも、一人居酒屋のすすめ的な感じの内容なので、このタイトルもあながち間違いではないですが。
 太田和彦さんの著書で文庫化されたものは殆ど読んでいます。いずれも酒・居酒屋に関するエッセイ。太田さんは、資生堂の宣伝部にお勤め後独立され、現在はデザイン事務所経営の傍ら全国の居酒屋巡りをされている。居酒屋に関する著書も多くどっちが本業なのかしらん?
 
 さてこの本は、大人として正しい居酒屋の愉しみ方ついてのエッセイを、基礎編・実技編・研究編・実践編に分け紹介しています。良い居酒屋の選び方、メニューのチョイス、お酒の飲み方、店主との会話…。とは言え、例えばホイチョイプロ80年代の名著?「見栄講座」のように、まず形から入ることを勧めるものではありません。だから、マニュアル世代が読んで、太田さんの著書を読んでその通りに実践したりする「太田信者」と呼ばれる若者がいるらしいですが、若者は若者らしい楽しみ方があるので、あくまでもこの楽しみ方は、太田さん世代(1946年生まれ)のがむしゃらに働いて定年退職を迎え、趣味もなく家で厄介者扱いをされている"団塊の世代"の為に、「こういう趣味もありますよ」的な感じで読み進めるとよい。
 若者は、仲間と大騒ぎして吐くまで呑む。それだけでよい。仕事盛りの私たち位は、同僚とは仕事の愚痴を零しながら、上司とは阿諛追従しながら、部下とはこれまでの経験を話しながら、古い友人とは昔を懐かしみながら、そして疲れて一人で自分の人生を振り返りながら…。いろんな酒の場が楽しめる。その中で、一番ハードルが高いのが一人呑みです。これができるようになるには、精神的な成長は勿論、外見も重要だったりする。若々しいと背伸びをしているように見え、かといって余りに草臥れていると貧乏くさい。居酒屋は似合っても公園で背中を丸めながらワンカップを啜る姿が似合うのは嫌だ。呑み方を知らない大人も困ったもの。自分の酒量が判らず、ぐでんぐでんに酔っぱらって周りに迷惑をかける。あ、やべえ、私です。でも一人でつぶれるだけなので、怒り上戸、泣き上戸、説教魔、誰かれ喧嘩を吹っ掛ける的な事はものに比べたら全然ましだ(と自分では思ってます)。最近は、特に日本酒を飲むときは、呑んだ酒と同量の水を飲むようにしています。一口酒を飲んだら、一口水を飲む。これだけでずいぶん酔わなくなりますし、違う銘柄の酒を飲んだ時に違いが分かるようになります。

 酒と上手に付き合うのは大人としての嗜み。更に自分一人で静かに酒を飲める隠れ家的居酒屋があったりすると大人の酒飲みとしては一流ですねぇ。

すぐに読めます。
特に酒飲みの方、お勧め。

超・居酒屋入門 (新潮文庫)

超・居酒屋入門 (新潮文庫)