2007年/松竹 成島出監督
あの原作をよく映画化しました。まずは拍手です。特に冬山のシーンは、素晴らしい出来です。しかし、原作を先に読まなければ気がつかない粗が、読んでしまうと目立ちます。だから本当は原作を先に読んではいけません。俳優陣も大沢たかお、玉木宏、竹内結子、藤竜也、いい役者を揃えているのに、言葉足らずというか、ダイジェスト感がぬぐえません。
それと、原作では、週刊誌記者をしている大沢たかおの嫁が病死しており、その妹が週刊誌記者だという設定変更の意味が判りません。それをすることで、原作にあるすれ違った夫婦がよりを戻す(でもそれは死の間際)というサブストーリーが全然生かされなかった。なのに、義妹とのやりとりの時間はしっかりとある。別に義理の妹にする必要なかったんじゃ…。
もし映画をみて「なんかいまいち」と思った人は、是非原作を読むと良いと思います。上記の妹の存在を嫁に置き換えるだけで、他は大きなストーリーの変更はありませんので違和感はないと思います。
「映画がよかった」という方も是非原作を読んでください。途中出てくる佐伯三佐(吉田栄作)が、更にかっこよく描かれています。更に西嶋(大沢たかお)と落合(玉木宏)と出逢って以降のかなり端折られた部分が原作ではしっかりと整合性を持って語られています。
そうそう、吉田栄作。80年代にトレンディ俳優としてちやほやされて、鼻につく演技が目立ちましたが、最近は抑えた演技が甘いマスクと相まってとってもいい役者さんだなぁと思います。田原俊彦といい、持ってるものはよいのだから、傲慢な態度を取らず、謙虚にいるのがやっぱ一番です。
結論。
原作付きの映画は、先に映画、次に映画が面白かろうとなかろうと原作を読む。これが正解です。
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