2011年・園子温監督
埼玉県愛犬家殺人事件をベースとした作品。映画ではブリーダーではなく熱帯魚ショップ経営者として描かれる。
今日は最初、2008年の園監督の作品「愛のむきだし」を観始めたもののなかなか長く、調べたら4時間(237分)もある事が分かり、仕切り直しでこちらを観た。それでも2時間半近くあった(146分)。
結論からいえば、私は駄目です、こういう映画。でんでんをはじめキャストの演技は皆すばらしい。脚本もカットもよくて2時間半ぐいぐいと引き込まれてしまいます。しかし、題材を余りにもリアルに求めるとこんなにも後味の悪い作品になるのですね…。
毎日々々どこかで殺人事件が起きている。私はそういった事件をニュースや新聞で見聞きしていながら、どこか遠いところのお話としか思えない程、平凡な日常を生きています。確かに自分の隣にはそういう人がいるかもしれないし、いつ何時そういう事が自分の近くで起きるかもしれない。でもだからこそ、映画の世界は光を求めて欲しいなと思うのです。別に能天気なハリウッド映画が良いといっているのではありません。考えさせられる作品、殺人事件を扱った作品であってもどこかに人間に対する希望のようなものが表現されていて欲しいのです。
甘いかもしれませんが、私にはこの作品からそういうものが読みとれなかった。陽気で優しいおっさんが一皮むけば欲の為に殺人をも厭わないなんて。しかも台詞のいくつかは、実際に犯人が吐いた言葉だったりする事を知ると、もうやりきれない。
もう1回観たら何か違うものが見えてくるのかなぁ。
話題作ではありますが、お勧めはしません。この作品を賞賛する人が多くいる事も知っていますが、初見の今は賞賛する言葉が見つかりません…。
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2011/08/02
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 98回
- この商品を含むブログ (111件) を見る