テレビ東京で今年の3月までやっていた同名番組を書籍化したもの。雰囲気は90年代初頭にフジテレビでやっていた深夜番組「カノッサの屈辱」に似ている。
イギリス・ヨークシャー州立大学歴史学部の教授で、日本研究家のジョージ・ポットマン氏が、平成時代日本の数々の事象を歴史的に紐解いていく番組、というとNHK的な香りが漂います。しかも、バックに流れる曲はNHKスペシャル「映像の世紀」のテーマ曲「パリは燃えているか」。しかしながら選ぶテーマが、ブルマー史、オネエ史、岡本夏生史、スカートめくり史、白ブリーフ史など変なものばかり。
それもそのはず、ジョージ・ポットマン教授とは架空の人物で、ヨークシャー州立大学というのも実在しない。しかしながら、これらの歴史研究は、なかば強引ではあるもの、様々な実在の資料に基づき、何故現在こういうものが成立しているという事を歴史の必然としてしっかりと解説しています。
この本では、TV放映されたものの中から、
1章.ファミコン史―平成時代、ファミコン世代は日本をどう変えてゆくのか?
2章.ブログ・ツイッター史―平成時代、なぜ日本人は「カルボナーラなう」とつぶやくのか?
3章.マンガの汗史―平成時代、なぜマンガで汗の描写が激減したのか?
4章.人妻史―平成時代、なぜ人妻大好きブームが到来したのか?
5章.童貞史―平成時代、なぜ童貞が高齢化したのか?
6章.友達いないと不安史―平成時代、なぜ日本人は便所で食事をするのか?
7章.路チュー史―平成時代、なぜ日本人はストリートキスを好むのか?
の7つと、コラム形式で
●J-pop史―何故真のミリオンセラーが消えたのか?
●ブルマー史―なぜブルマーは絶滅したのか?
●オネエ史―なぜおネエが大人気なのか?
を掲載しています。
確かに強引な考察もありますが、過去をもって現在の事象を分析するという歴史学的アプローチ(もどき)は、妙な納得感を誘います。
深夜偶然にこの番組を観ましたが、こういう下らない事を真顔で解説するっていうのってすごく好き。
本も面白かったけど、DVD化もされていてレンタルもしているようですので、是非借りて観て欲しいです。
しかし…電車の中で読むのは抵抗があった。開くと突然、「シロート童貞の誕生」とか「フェラチオの庶民化」という章立てが、バーンとゴシックボールドで出てくると、やっぱ恥ずかしかった…(^-^;)
公共の場所で読むのは憚られますが、お勧めです。
- 作者: ジョージ・ポットマン,高橋弘樹(日本語版著者),伊藤正宏(日本語版著者)
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2012/04/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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