日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「マウリッツハイス美術館展」に行きました。

上野・東京都美術館でやっている「マウリッツハイス美術館展」に行きました。勿論お目当ては、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」。それ以外にも、レンブラントルーベンスの本物が観れるとあっては、行かないわけにまいりません。

 6月30日からやっていたのですが、大変な混雑と聞いていたので、そろそろ落ち着いてる頃。それと朝一は込んでるという話でしたので、午後も遅い3時頃に上野着。読みは当たり、入場の列は、美術館の中だけで、30分程度、「真珠の耳飾りの少女」前の列も20分程度と快適でした。


 さて、そもそもマウリッツハイス美術館って何。全然知りませんでしたが、オランダ(Nederland・ネーデルラント)にある王立ですが小さな美術館らしいです。元々ヨハン・マウリッツという方の邸宅を国が買い取り王立美術館としたもの。だからマウリッツハイス(Mauritshuis・マウリッツさんの家)という名前なんですね。世界に30数点しかないフェルメールの作品のうち3点が所蔵されているということで有名らしい。で、現在、建物を増改築しており、その間を利用して展示絵画が来日したという経緯です。


 「真珠の耳飾りの少女」と最近は呼ばれてますけど、昔美術の教科書とかに乗っていた時は「青いターバンの少女」という名前でした。私的にはこちらの方がしっくりきます。フェルメール独特の透明感のある描き方、深い瞳、濡れたような唇、光と影だけで表現する耳飾り。「オランダのモナ・リザ」とかいわれていますが、こっちの方が全然可愛い。
 この絵画は誰かをモデルにした"肖像画"ではなく、「トローニー(tronie)」と呼ばれるもの。もっとも、本当はモデルはいるのかもしれませんが、名声のある人に請われて描かれた肖像画ではなく、フェルメール自身がもっとも美しいと思う構図、衣装を纏い描かれた少女なのです。
 実際の絵は、45.4×40.6cmと広告などで大きく引き伸ばしたものに見慣れているせいか意外と小さい。我が家に飾っても良い位w。

 その他、あの「フランダースの犬」で有名な、アントワープ大聖堂に描かれたルーベンスの「聖母被昇天」の下絵や、光と影の魔術師レンブラントの若い頃と晩年の自画像や代表作「シメオンの賛歌」など、もう吸い込まれます。これらが350年前の作品という事に驚かされます。日本では、戦国時代末期〜江戸時代初期ですよ。そんな作品が、修復されているとはいえ、大切に扱われ、今も鮮やかに見ることが出来る。いやいや、美術ってすごいです。

「聖母被昇天」

「シメオンの賛歌」


マウリッツハイス美術館展」は上野・東京都美術館で9月17日まで開催中。その後神戸市立博物館(9月29日〜2013年1月6日)で開催されるとのことです。オランダまで行くのはさすがに大変なので、この機会に是非観られると良いと思います。本当の美や音楽に触れるのってやっぱいいですよ。


最後に、「フランダースの犬」から、ネロの言葉です。
≪あれを見られないなんて、ひどいよ、パトラッシュ。ただ貧乏でお金が払えないからといって!ルーベンスは、絵を描いたとき、貧しい人は絵を見ちゃいけないなんて、夢にも思わなかったはずだよ。ぼくには分かるんだ。ルーベンスなら、毎日、いつでも絵を見せてくれたはずだよ。絶対そうだよ。なのに、絵を覆うなんて!あんなに美しいものを、覆って暗闇の中に置いておくなんて!絵は、人の目に触れることがないんだよ。誰もあの絵を見る人はいないんだよ。金持ちの人が来てお金を払わない限り。もし、あれを見ることができるのなら、ぼくは喜んで死ぬよ。(ウィーダ作『フランダースの犬』より)≫ちなみに日本のアニメではネロが見たかったのは「キリスト昇架」。でもアントワープ大聖堂には「キリスト降架」と対になって飾られているそうです。