正式名称は『全国高等学校クイズ選手権』。今年で32回の長寿番組。第1回が1983年で私は丁度高校卒業の年だったので出場応募することはありませんでした。
もともと、日テレには「アメリカ横断ウルトラクイズ」があり、その年齢制限で高校生が出られないのを救済する目的で始まったこの番組ですが、本家の「―ウルトラクイズ」が 1992年の16回で終了(98年にスペシャル番組として1回だけ復活)したのに対し、その後も続いて居るのは素晴らしい。
そのような経緯から、当初は、ウルトラクイズを踏襲し「知力・体力・時の運」をテーマに、知識量の豊富さだけでなく、体力勝負や、運の要素など、バラエティに富んだクイズ形式で、決して進学校のみが肩を並べる事がないところが面白かった。更にスタジオ収録だけでなく、いろんな場所をクイズ会場として転戦する事も観ている方としては、「次はどんなところでどんなクイズをやるんだろう」とワクワクしたものです。
場所によって、その場所に因んだ問題や単に学問的知識や計算スピードを競うような問題ではなく、逆に勉強では学べない広範な知識(サブカルチャー的知識をも含む)を知っている事がすごいなと思わせたもの。
確かに、"知の甲子園"という位置づけになって、観いてる方は問題を全部聞いても、その問題の意味すら判らない内容を即答する様子を観ていると本当にすごいと思うし、さすがに入試問題で出る以上のレベルの内容を知っているという意味では、勉強以上の訓練を積んでいるに違いないし、興味の幅もそこら辺で目的もなくフラフラ遊んでいる莫迦な高校生よりも観ていてすがすがしい気持ちになる。この形式にして視聴率が上がったというのも判る。色々文句を言いつつも観てしまい、本当に感心してしまう。
でも、それでも、劣等高校生が、チームワークと運と体力で、準決勝位まで勝ち進んで行く姿があると、観ている方としてはどうしてもそちらを応援したくなる。今回優勝し3連覇を成し遂げた私立開成高校や灘、鹿児島ラ・サールなどに対抗できる高校が全国にどれくらいあるだろう。そういう意味では、高校野球でも確かに名門、常勝校はあるけど、必ずしも名門高校が優勝するわけではなく、各高各人の努力で新しい時代を築くことができますが、知力の甲子園を銘打った"高校生クイズ"では、既にある程度全国高校の知力ヒエラルキーが決まった中での戦いなので、このまま続いても上位校顔ぶれがそうそう変わることはないのではないかと。
そこで体力、時の運という要素が重要になってきます。勿論決勝に進むのはそれなりに知識がなければ無理ですが、知識偏重の今の形式より、バラエティに富んだ全国の高校が出てくるに違いありません。
このままでは「どうせ俺たち莫迦高校だから出ても無駄」って思う高校生も出てくるでしょう。参加者数も全盛期の10分の1まで減少しています。形式だけではない様々な理由があるんでしょうが、全国の高校生が普通に楽しめる番組作り、そして観ている方もただ知識量に感心するばかりの番組ではない、そんな「高校生クイズ」が観たいです。
あ、それ以前に私は「アメリカ横断ウルトラクイズ」の復活を強く望む者ですが、それはまた別のお話。。