著者・ナカノ/原作:三上延/キャラクターデザイン原案:越島はぐ・カドカワコミックス
小説のコミカライズ。第1巻「ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜」の中から、夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)のお話が第1巻で描かれました。
実は、漫画化ちょっと期待していたんですよね。表紙も、小説版の第1巻と同じなんで、このキャラクターで漫画化するのかと思いきや、ちょっと〜どういう事?!みんなちょっと寸足らず。可愛いと言えばそう見えなくもないのですが、表紙のイメージとちょっと違う。栞子さんは、もう少し大人っぽいイメージだったのに、なんか身長が10cmは小さくなった感じ。同様に大輔君もひと回り小さい。うーん、これはいけません。
お話は、小説に即していて、可もなく不可もなく。な、だけにこのキャラクター造形だけはちょっといただけません。
結局、映画も漫画もアニメもだいたいの場合小説にはかなわない、と思っています。勿論小説原作よりもいい作品がないわけではありません。例えば「犬神家の一族」('76市川崑監督)や「砂の器」(’74)「鬼畜」(’78、ともにを野村芳太郎監督)は原作よりもずっといい。原作の前に映画を観たというのも理由の一つではありますが、原作の持っている雰囲気をしっかりとフィルムに定着させて、それ以上に原作の良さをしっかりと表現しています。これは、特に脚本家、監督の力によるものと思います。
漫画化、アニメ化の場合も同様で、如何にリライトをした側が原作を理解しているか、そしてその表現が出来るかに掛かっています。残念ながら「ビブリア堂−」の漫画化は力量不足が否めません。
オリジナルを越えるのって難しいですねぇ。
ビブリア古書堂の事件手帖 (1) (カドカワコミックス・エース)
- 作者: ナカノ,三上延,越島はぐ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/06/22
- メディア: コミック
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