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ノーベル賞2012雑感

 今年のノーベル賞は、本日平和賞が"EU"に授与され、月曜日の経済学賞を残すのみとなりました。
 ノーベル賞や褒章のような、功績に対して与えられる賞と、オリンピックや文学賞などの、それを受賞する事が一つの道標のような賞とは、賞の性質は明らかに異なります。
 
 村上春樹ノーベル賞が与えられなかったのは確かに残念なことではあるけれど、落選とかいうのとちょっと違う気がします。


 ノーベル賞は自然科学部門の物理学賞、化学賞、医学生理学賞の3部門では、厳密のその功績を判断されているが、平和賞は政治的なバッファが掛かっていると何度か取りざたされているし、文学賞の選考基準もあいまい。経済賞に至っては、ノーベル経済学賞と言ってるけど、正式名称は「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」と、厳密にはノーベル賞ではない。

 
 人から褒められるのはどんな場合であってもうれしいこと。でも、無心で行っている事で誉められるならともかく、"褒められようと"行動した結果、褒められるのとは雲泥の差がある。


 日本がアジアの中で一番多く受賞している理由は、「お天道さまが見てる」という日本人の心の中にある生活規範にあるように思う。誰かに認められようとするのは、人として誰しも持っている感情かもしれないけど、それよりも超自然的な視線を感じながら、人としてあるべき姿を真摯に追求する、元々持っている国民性が評価されているように思うのです。

 中国や韓国は西洋と地続きだから、国民性も西洋との地続きの倫理観があるのかもしれない。西洋的考えでいえば理解の範囲内なのか、上下関係でいえば明らかに下に見られているのかもしれない。日本もその他極東の国と一緒だと考えていた西洋国は、開国以来の100年で、それらの国々と明らかに異なる国民性を持っており、独自の文化、倫理観を持っているらしいという事がだんだんわかってきた。
 
 エキゾチックジャパンというコピーが昔流行った事があるけど、まさにそういう存在。

 でもね。
 如何にグローバルな社会になろうとも、西洋の文化や考え方に無理やり沿う必要は、こと日本に限っては必要ないのではないかと改めて思うのです。
 日本人の国民性が、原則的に争い事を嫌い、崇高なあり方を求めようとしているのである限り、という条件付きですけど。
 
 西洋文化が悪いといっているのではなく、必要以上に迎合したり礼賛したりする必要は全くなくて、日本そのものの美点を忘れたり、殊更自国文化を貶めたり一段低く見る必要はないと思うのです。

 
 政治や経済が停滞して思うように進んでいないから、どんどん自信を失くしている今だからこそ、山中さんの受賞は素直にうれしい。
 村上春樹にせよ、その他名前はあがっていないけど、まだまだたくさんの評価を待っている人が日本にはいると思う。
 だから粛々と日本人としての誇りを失わず、日々の仕事や生活を続けていれば、いつかは認めてもらえる日がくる。
 
 そんな感じで、今回のノーベル賞狂騒曲をみていましたとさ。