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「イルカと墜落」 を読む。


沢木耕太郎・文春文庫。

 沢木耕太郎が好きです。文庫になってるのは殆ど読んでます。
 一番最初に読んだのは、もう30年近く前。たぶん文春文庫の「敗れざる者たち」
丁度、東京五輪のマラソンで銅メダルを獲得した後痛切な遺書を残して27歳の若さで自殺した円谷幸吉を描いた「長距離ランナーの遺書」が読みたくて手に取って以降、毎回クールで張りつめた弦のような文章が堪らなく心に突き刺さります。
 中でも、カシアス内藤のカムバックを描いた「一瞬の夏」(新潮文庫上下巻)は、自分も沢木耕太郎と一緒になってカシアス内藤のカムバックを追い掛けているような気分になりました。若い沢木耕太郎ユーラシア大陸を陸路で旅をする「深夜特急」(同全6巻)では、第3便(文庫では5、6巻)が出た頃、丁度長男が生まれたばかりで、読了後、もう自分にはこんな旅ができない事に愕然として夜中ひとりで号泣した覚えがあります。
 昭和史のTVで必ずと言っていいほど出てくる社会党浅沼委員長が日比谷公会堂の壇上で刺殺された事件の犯人、山口二矢(おとや)を追った「テロルの決算」も名ノンフィクションです。

 何を読んでも外れのない沢木耕太郎。今回の「イルカと墜落」は、2002年に上梓されたもので09年に文庫化されていましたが、すっかり積読してました(^-^;)。
 内容は、NHKスペシャルで放送されたアマゾンの奥地に住む文明と隔絶された先住民(イゾラド)とその保護管を追う「沢木耕太郎 アマゾン思索紀行」の記録で、アマゾン川に住む淡水のピンクのイルカと出逢う「イルカ記」と2度目のアマゾン取材時、移動のセスナ機が墜落して九死に一生を得た話の「墜落記」を合わせたもの。


 文明と一切の接触を持たないイゾラドと沢木耕太郎の邂逅。ドキュメンタリーは見逃しているのですごく観たくなりました。
 TVを観ていなくても大丈夫。やっぱり沢木耕太郎、お勧めです。

 

イルカと墜落 (文春文庫)

イルカと墜落 (文春文庫)