ハリウッド版の方。積DVD状態で10年近く観ておらず、今日やっと観ました。
オリジナル版が136分に対し、ハリウッド版は106分。単純に時間で判断できるものではありませんが、要はそういう映画でした。表面的なところは、オリジナルを踏襲しているけど、それだけ。リチャード・ギア(役所浩司の役)は、安心して観れたけど、ジェニファー・ロペス(草刈民代の役)は違和感ありありで、モダンを優雅に踊るというよりもラテンな感じがしてどーも…。
アメリカ人って、ダンスを踊ることに日本人ほど抵抗がない。ハイスクールの卒業式とかでダンスパーティが行われるし、特にワルツなんて上流者の嗜みでしょう。主人公は、中小企業の経理課長ではなくて弁護士、奥さんも専業主婦ではなくキャリアウーマン。
エンディングは、オリジナル版とも小説版とも違う。一番の見どころはここかもしれません。社交ダンスをやっている事が奥さんにばれて、ダンスから離れようとする主人公。始めるきっかけとなった美しい女性との最後のダンス。
私的には、日本版の方がしっくりくるし、コミカルな面も日本版の方がより楽しめました。これは文化の違いという一言では片付けられない、ストーリーテリングの繊細さと計算されたカットの積み上げを崩してしまうと、こうも劣化してしまうのかというよい見本です。黒澤明の「七人の侍」を「荒野の七人」にしたほどの大胆さもない。「荒野の七人」は日本版知っていても充分楽しめます音楽もいいし。それでも1億7千万ドルもの興行収入を稼いでしまうのだから、ハリウッド映画のマーケットの大きさに驚嘆せざるを得ない。
アメリカと日本の作劇、訴えかけるものの違いを知るにはよい映画です。
- 出版社/メーカー: 東宝
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