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「県警対組織暴力」 を観る。


 1975年東映深作欣二監督

 長男がカミサンの胎内にいた頃、カミさんと一緒に深作欣二監督の出世作仁義なき戦い」5部作をレンタルビデオで観ましたが、長男はいたって穏やかな性格に育ちました…。
 

 「県警対組織暴力」は、「仁義なき戦い完結編」の後、ほぼ同じスタッフ、キャストで作られたやくざもの。脚本の笠原和夫が「仁義なき戦い」制作時に取材した警察とヤクザとの癒着話がベースになっています。


 主人公は、倉島警察署の今でいうマル暴刑事久能(菅原文太)。大原組の若頭、広谷(松方弘樹)とある事件をきっかけに奇妙な友情関係を持っている。確かに、広谷と公私に渡り良好な関係を築いているので、癒着と言ってしまえばそれまでだけど、それ以上にワルなのは、広谷と敵対する経済ヤクザの川手(成田三樹夫)。市議会議員や県会議員と関係を持ち、石油コンビナートを誘致する為、埋立地の土地取得に暗躍している。


 街中での抗争に業を煮やした県警本部は、若手エリート警部補の海田(梅宮辰夫)を所轄に送り込んでくる。表面的な癒着である大原組(および広谷組)を追い詰めようとする県警。癒着疑惑のある久能を外し、大原組長に解散宣言をさせることに成功。いよいよ追い詰められた広谷は旅館に立て籠もり、海田はその交渉を久能にやらせるが…。



 もうね、どっちがヤクザか判らないキャストw もっとも、マル暴なんて国をバックに付けたやくざもんってイメージがありますけど(実際は知りません)。
 しかし、菅原文太松方弘樹の青臭い癒着に比べ、政治経済を巻き込んだ癒着の汚さをより感じてしまうのは、四捨五入で50歳になろうとする自分がやっぱり青臭いからなのかも。エリートの梅宮辰夫がうまーく世渡りしているのに比べ、文太&松方の無器用な生き方がコントラストになっていて、自分はどちらかというと世渡りベタなもんだから、善し悪しは別として、感情的には、文太&松方支持になってしまいます。


 ラストシーンも泣ける。
 とはいえ悲劇的なラストなので、全然すっきりしない…。


 70年代大ヒットした東映やくざ路線もかなり下火になってきた頃の作品。深作欣二もあれだけ量産していたヤクザ映画もこの作品以降数作を撮っただけ。
 荒々しいけど、青春映画として観ると何故か物哀しい。


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