日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「終の信託」を観る。

2012年 周防正行監督作品。


 周防監督は「ファンシイダンス」(89)以来のファンです。周防正行DVDBOXも持ってます。その周防監督の最新作。「終の信託」は「それでもボクはやってない」(07)同様、社会派ドラマ。これまでの作品にあったコメディ要素は全くありません。

 周防監督のテーマ選びの基本は、"知ってるようで知らない世界"

 「ファンシイダンス」…修行僧
 「シコふんじゃった。」…学生相撲
 「Shall we ダンス?」…社交ダンス

 「それでもボクはやってない」では痴漢冤罪を扱いました。ここで司法に目覚めて、今作の安楽死尊厳死問題に繋がりますが、今回の舞台は司法の場が中心ではなく、あくまでも患者と担当医師のラブストーリーだそう。

 久しぶりの原作付映画という事で先に原作を読みました。思った以上に原作に忠実でしたが、原作が折井医師の逮捕で終わるのに対し、映画はその後の事(判決)がテロップで出てきます。途中で投げ出された感のある原作にきっちりケリを付けた点はよかった。

 原作のクライマックスは、折井医師(草刈民代)と検事(大沢たかお)とのやりとり。これも、大沢たかおの演技はとてもよかったけど、心情的な面については原作の方が分かりやすい。

 
 残念なのは、周防監督が目指したのは折井医師と患者の江木(役所広司)とのラブストーリーと言ってますが、あまりそれを感じない点。患者と医師という関係以上の絆を感じる場面はありますが、ラブストーリーというほどでもないような気がします。草刈民代と不倫相手の浅野忠信のラブシーンもありますが、そそられないのは草刈民代に品がありすぎるから?
 草刈民代の演技も残念な感じ。きれいなんだけど相変わらず台詞に感情がのってない。ただ、検事とのやりとりの最後の方はいい感じでした。順撮りしてるのかな。


 重いテーマの映画なんで、万人お勧めではありません。
 周防監督は今久々のコメディ映画「舞妓はレディ」を撮ってます。これはちょっと楽しみ。