主演は「仮面ライダーフォーゼ」でデビューした福士蒼汰くん。この作品は、スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズの主演俳優の更なるステップアップのために企画された「TOEI HERO NEXT」シリーズの第2弾。この後出演した「あまちゃん」の種市先輩役で人気を不動のものとする直前という意味でも興味深い。
突然、光に包まれた大学生、浅尾幸雄(福士蒼汰)は、警察の取り調べ室にいて、殺人を犯したので裁判にかけられるという。身に覚えのない殺人。それもそのはず、殺人は25年後に起き、今幸雄のいるのはその25年後の世界。つまり未来に犯す犯罪の為に過去から連れてこられて処刑されるという。
この時代、死刑制度は廃止されているが、遺族を救済するために「未来犯罪者消去法」が制定されていた。それは、過去から罪を犯す前の犯罪者をタイムスリップさせて、公開処刑することによって遺族の心の傷を癒し、また、過去の人間を消去することで平行世界を作り出し、そちらの事件発生を未然に防ぐという制度であった。
本当に幸雄は殺人を犯したのか。留置されている幸雄のもとに「自分の無実を証明したいなら自分で未来を切り開け」という脱走の手助けをする男が現われる。この男は「仮面ライダーフォーゼ」で仮面ライダーメテオを演じた吉沢亮くん。幸雄は自分の冤罪を晴らせるのか、そして元の世界に戻れるのか、って話。幸雄の担当弁護士役は「がんばっていきまっしょい」TV版の田中ちえみ役の関めぐみ。
87分と短い事が奏功して、ダレることなく一気に観れます。時期的に「裁判員制度」が始まる頃で、その要素も絡めて未来での伏線を現代で回収しているというのも、最後「なるほどそういうことか〜」と納得。
「−フォーゼ」の主人公が癖のある役だったので、一般受けする俳優への橋渡し役としてはとても良かったと思う。
「−フォーゼ」観ていてこの作品観ていない人は是非。